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東京春祭「ニュルンベルクのマイスタージンガー」大いに感動

 4月7日、東京文化会館で東京春祭「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(コンサート形式)を見た。

 セバスティアン・ヴァイグレが指揮をし、ヴァルターをクラウス・フロリアン・フォークトが歌うということで、これは見逃すわけにはいかない。しかも、ポーグナーは昨年のバイロイトですばらしい声を聞かせてくれたギュンター・グロイスベック。

 で、実際に聴いて、期待通りの素晴らしさ。

 フォークトとグロイスベックと、ハンス・ザックスをうたったアラン・ヘルドに圧倒された! 現在、世界できける最高の三人だと思う。フォークトのヴァルターは2009年にバイロイトで聴いて以来。相変わらず、よく通る美声。ヘルデンテノールとしてはちょっと丁寧すぎるが、ヴァルターにはぴったり。グロイスベックは太くて美しい声。若い歌手だけに、これからの領主や王様の役に引っ張りだこになるだろう。ヘルドはしっかりとザックスの役を自分のものにして、自在に歌っていた。

 そのほか、ベックメッサーをうたったアドリアン・エレートは実に芸達者。コンサート形式なのに、小心者で猜疑心が強く、ねじれた性格のきわめて人間臭いベックメッサーを見事に演じていた。ダフィトのヨルグ・シュナイダー、エファのアンナ・ガブラー、マグダレーネのステラ・グリゴリアンも文句なし。マイスターを演じた日本人たちも堂々たるもの。

 第三幕の五重唱がとりわけ圧倒的だった。涙が出てきた(昨年のザルツブルク音楽祭のマーラー・ユーゲント・オーケストラのコンサートのアンコール曲は、「マイスタージンガー」からの一部分だとはわかったものの、こんなオーケストラ曲の場面があったっけ?と思っていたのだが、思い出した。この五重唱をオーケストラ版にしたものだった)。

 NHK交響楽団はさすが。とてもまとまりがよく、弦楽器も管楽器もとても美しい。ただ、ヴァイグレの指揮に関しては、それほど強い感銘は受けなかった。もちろん、悪いとは思わないし、第三幕ではかなりドラマティックに盛り上げていたが、全体的にはもう少し強い個性を発揮してほしいと思った。

 とはいえ、まさしく世界最高レベルの「マイスタージンガー」だった。ワーグナーの音楽を堪能した。

 録音だけで聴いていたころ、「マイスタージンガー」は決して好きではなかった。が、舞台を見るようになってから、だんだんとこの楽劇のよさがわかるようになってきた。実によくできた台本、素晴らしい音楽。ただ、字幕を見ながら、いろいろと疑問が生じてきた。発見もあった。が、あれこれと忙しいので、今回はそれについては書かない。

 ともあれ、今日はワーグナーの感動に浸ることができて、実に幸せ。

 

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