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ラ・フォル・ジュルネ2日目 グノーのレクイエムに魂を奪われた

54日。2013年ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの2日目。

コルボ指揮、ローザンヌ声楽アンサンブルによるグノーのレクイエムに圧倒された。そのあとにも二つほどコンサートを聴いたが、まだ、グノーが頭に残っている。

本日も、弦楽器とオーケストラ、そして歌を中心に追いかけた。私のブログをのぞいている方にはすでにわかっていただけていると思うが、私はピアノ曲はあまり聴かない。ラ・フォル・ジュルネでもピアノは避ける傾向が強い。しかも、どうしても、サン・サーンス、ラヴェル、プーランクに偏る。フォーレやドビュッシーも嫌いではないが、同じ時間帯にあれば、上に書いた作曲家のほうを選ぶ。

今日のコンサートの感想をごく簡単にまとめる。

 

・宮田大のチェロ、香港シンフォニエッタの演奏。イブ・ウィンシー指揮。ラヴェルの「クープランの墓」「フォーレのエレジー」、そして、サン・サーンスのチェロ協奏曲第1番。

 宮田大のチェロは素晴らしい。豊かでふくよかで、しかも切れが良い。なるほど、評判になるわけだ。アンコールの無伴奏による「白鳥」に良さが表れている。香港シンフォニエッタもとてもよいオーケストラだと思う。ただ、この女性の指揮者には私物足りなさを感じた。丁寧に音楽を作りたいのかもしれないが、もっと激しさがほしい。

 

 そのあと、15分くらい、リチェルカール・コンソートのコンサートをのぞいてみた。今回、好きな曲と重なったために、この団体の演奏を聴けないので、少しだけでも触れたいと思った。ラモーの「諸国の人々」だけ聞いた。もっと聴きたかったが、次のコルボのコンサートに急いだ。

 

・ミシェル・コルボ指揮、ローザンヌ声楽アンサンブル、シンフォニア・ヴァルソヴィアによる演奏で、デュリュフレの「グレゴリオ聖歌による4つのモテット」とフォーレのレクイエム。ソプラノはシルヴィ・メルヴェイユ。バリトンはジャン・リュック・ウォーブル。

 相変わらず、コルボのフォーレは素晴らしい。サンクトゥスとイン・パラディスムには涙するしかない。やさしく、信仰心にあふれ、限りなく美しい。歌手たちも素晴らしい。

 

・ヤーン=エイク・トゥルヴェ指揮のヴォックス・クラマンティスというア・カペラの団体による演奏で、デュリュフレの「グレゴリオ聖歌による4つのモテット」、ギヨーム・ド・マショーの「ノートルダム・ミサ」、プーランクの悔悟節のための4つのモテット、メシアンの「おお聖なる饗宴」など。

 ア・カペラの宗教曲なので大いに期待して聴いたが、歌手たちの音程が不安定で、ハーモニーが完璧ではなかった。残念。不調だったのかもしれない。

 

・ラファエル・セヴェール(クラリネット)によるプーランクのクラリネット・ソナタ。そのあと、工藤重典のフルートが加わって、サン・サーンスの「タランテラ」。そのあと、「動物の謝肉祭」。クラマジランのヴァイオリン、工藤のフルート、安江佐和子のマリンバ、吉田秀のコントラバスなど。映像つき。とても面白かった。子供たちがたくさん来ていた。

 

・ジャン=フランソワ・エッセールの指揮、オーベルニュ室内管弦楽団。初めに海老彰子のピアノが加わって、トゥリーナの交響的狂詩曲。そのあと、アントニア・コントレラスというフラメンコ歌手でファリャの「恋は魔術師」より。

 音楽はとてもおもしろかった。フラメンコの歌もいい。ただ、トゥリーナの曲も、「恋は魔術師」も何が起こっているのか、わからなかった。とりわけ、「恋は魔術師」は、フラメンコ歌手の語りと歌なのだが、ストーリーもわからず、状況もわからない。少し工夫してほしかった。

 

・コルボ指揮、ローザンヌ声楽アンサンブルと器楽アンサンブル。初めに、デュリュフレのグレゴリオ聖歌による4つのモテット。次にグノーのレクイエム。アンヌ・モンタンドン(ソプラノ)、セシル・マシュー(メゾ)、ジャン・リュック・ウォーブル(バリトン)。ローザンヌ声楽アンサンブル。

 デュリュフレも最高に美しい。が、なんといっても、グノーが圧巻。ひたすら感動。グノーのレクイエムは、フォーレのレクイエムに匹敵すると思った。ただただ美しい。親しみやすいメロディ。穏やかで祈りにあふれた音楽。第2曲セクエンツィアの美しさは比類がない。ソプラノ独唱部分は単純でありながら、純粋で気高い。昔、フォーレのレクイエムを初めて聴いて、その至高の世界に魂が震えた時と同じくらい感動。今まで、この曲があまり知られていなかったのは信じられない。私の大好きな曲の一つになった。

 

・ラムルー管弦楽団、フェイサル・カルイ指揮。ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」、小山実稚恵のピアノが加わってピアノ協奏曲。ラ・ヴァルス。

 とてもよい演奏。ただ、グノーのレクイエムの余韻がまだ残っていた。カルイという指揮者、メリハリをつけてとても魅力的。プログラムが終わった後、ルネ・マルタン氏が舞台上に現れ、「ラムルー管弦楽団は日本とも縁がある。佐渡豊がカルイの前の常任指揮者だった。サプライズに佐渡裕を呼んでいる」と語って、佐渡さんが登場。確かに、ものすごいサプライズ。佐渡さんの指揮で「ボレロ」。これがすさまじい力演。オケのメンバーも気合が入っている。メンバー(よく見えなかったがオーボエ奏者?)の東洋系の女性が感極まって涙を流す様子が映し出された。

 

・オーギュスタン・デュメイのヴァイオリン、児玉桃のピアノ。ドビュッシーのヴァイオリン・ソナタとフランクのヴァイオリン・ソナタ。

 昨日の竹澤さんとは対極にある、情熱を表に出さない演奏。情熱を抑制し、美しく、高貴に演奏。児玉さんのピアノも理性的に気品がある。しかし、いやおうなしに、この曲は盛り上がっていく。

 

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コメント

こんにちは。
LFJ、満喫してらっしゃいますね。
あまりの人の多さと、チケットを買うのが大仕事で、最近はへこたれ気味でしたが、今年はコルボさんのお名前があったので、久しぶりに気合いを入れ、昨日の午前中の宮田君と、フォーレのレクイエムだけですが、聴いてきました。
宮田君は彼が10代のころから友人が一押しで、私も一緒によく聴いて(聴かされて?)いたのですが、見事「青田買い!」が大当たり(笑)。アンコールのチェロだけの白鳥、素敵でした。
コルボさんのフォーレは、聴きながらもう胸がいっぱいでした。心が洗われるような美しい演奏だったのはもちろんですが、コルボさんそのものから伝わってくる溢れんばかりの慈愛に、泣きました。

サプライズがあると予告はありましたが、佐渡さんでしたか!それはすごい!しかもボレロとは。会場のすさまじい熱狂が想像されすぎちゃいます(笑)。

投稿: 平田 | 2013年5月 5日 (日) 07時28分

平田様
コメント。ありがとうございます。
もしかして、お会いするのではないかと思っていました。
コルボ、本当に素晴らしいですね。グノーのレクイエムは、フォーレに匹敵する曲だと思いました。
今年も素晴らしい演奏が目白押しです。

投稿: | 2013年5月 5日 (日) 09時01分

グノーのレクイエムを聞けなかったのは残念。 またデュメイのフランクも聞きたかった。  佐渡豊のボレロで涙してた奏者はソプラニーノクラリネット(not オーボエ)のソリストでしたが、あのソロはメチャクチャ上手かったですね。他のソロも上手く流石フランスのオケという感じですが
あの涙してた女性ソリストはアジア系の人でした。そういえば今日聞いた
ローザンヌ声楽アンサンブルのテナーにも日本人らしき男性が一人
いましたね。 ベルリンやパリ管のようなインターナショナルなオケだけではなくこういうローカルな団体でもAsianが活躍しているのは
うれしい反面、ローカル色が薄れるような複雑な思いもします。

投稿: 明田重樹 | 2013年5月 6日 (月) 01時02分

今回すべてのホールを体験しましたが意外と巨大ホールの
ホールAが響きが良い(他がデッド)と思いました。
またホールAのdisplayもなかなか良いと感じました。

投稿: 明田重樹 | 2013年5月 6日 (月) 01時09分

明田重樹 様
コメント、ありがとうございます。
あの女性は、ソプラニーノクラリネット奏者ですか。ちらっと見えたのですが、何の楽器なのかよくわからずにいました。ありがとうございました。その女性が演奏している姿は、あまり確認しておりませんでした。
私は、映像を見ると、つい女性の容姿に目が行ってしまうので、意識的に映像は見ないようにしていました。
フランスのオケに、アフリカ系のメンバーが何人かいるのには気づきました。それなのに、十分にフランス的な音を出しているのは、とてもうれしいことです。おっしゃる通り、フランスのオケ、とてもよかったと思います。少なくとも、フランスものを演奏するには、インターナショナルなオケよりも雰囲気があっていいですね。

投稿: | 2013年5月 7日 (火) 17時04分

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