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クララ・シューマンとファニー・メンデルスゾーンのコンサート

本日(6月21日)の午前中、TAMA女と男がともにいきるフェスティヴァル2013のイベントの一つとして、多摩大学樋口ゼミの協力により、関戸公民館ヴィータホールで、ファニー・メンデルスゾーンとクララ・シューマンを中心としてコンサートを開いた。

演奏は、久保山菜摘さんのピアノ、犬嶋仁美さんのヴァイオリン、松本亜優さんのチェロ、松島理紗さんのソプラノにお願いした。いずれも桐朋学園大学の3・4年生。曲目は、クララ・シューマンのピアノ三重奏曲の第1楽章、ヴァイオリンとピアノのためのロマンス、歌曲「愛の魔法」「あなたの瞳に」、ファニー・メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1・4楽章、歌曲「夜の旅人」「憧れ」。そのほか、二人の作曲家にまつわる人物としてロベルト・シューマンの「トロイメライ」、ブラームスの「子守歌」、フェリクス・メンデルスゾーンの「歌の翼に」「結婚行進曲」、グノーノ「アヴェ・マリア」。私の発案で、演奏家やゼミ生と相談して、曲目は決定した。

0歳から入れるコンサートにしたので、何人もの子どもたちがたえまなく泣き声や叫び声をあげ、歩き回る状態。演奏家たちは演奏しにくかっただろう。だが、小さな子どもたちやその親がなまの音楽に接する機会はほとんどない。そのような機会を与えることができたのは素晴らしいことだと思う。観客は子どもを含めて140人くらいだっただろうか。

演奏は素晴らしかった。プロにもまったく劣らない。いや、これほどのプロが日本にはそれほどは存在しないと確信する。

二つの三重奏曲が見事。全曲を聴きたかった。ロマンティックで生き生きとした感受性のクララ。メロディが美しい。それに対して、ファニーは、情熱というよりも、むしろ情念というほうがふさわしいのではないか。秘めた感情のほとばしりをうねるようなメロディに乗せて投げはなつ。久保山さん、犬嶋さん、松本さんの息もぴったり合って、感情の高まりを見事に描く。

ソプラノの松島理紗の素晴らしさにも圧倒された。大学生ということを抜きにしても、これほど見事な歌唱のできる歌手が日本にどれだけいるのだろう。ファニーの二つの歌曲には凄味のようなものさえ感じた。そして、アンコールのグノーの「アヴェ・マリア」(これは、バッハに傾倒していたファニーがグノーにヒントを与えた曲だという)のソプラノには深く感動した。表現の幅が広く、ぐさりと聴く者の心を揺さぶる。

 

ゼミ生もしっかりとサポートしてくれた。会場の設置に始まり、受付、アナウンス、司会、会場案内、譜めくり、譜面台や椅子の移動などの仕事をほぼ完璧にこなしてくれた。

 

もちろん、私自身もクララとファニーの曲を実演で聴いたのは初めてだった。その真価を知った。もっと演奏されてよい作曲家だ。これら二人の作曲家を取り上げることができて、とてもうれしい。そして、これまで何度も演奏をお願いしている久保山さん、犬嶋さん、松本の実力を改めて認識。同時に、松島さんというすでに完成された素晴らしい歌手を知ることができた。そのうち、これらの演奏家でクララとファニーの本格的なコンサートを、樋口ゼミによって開きたいと切に思った。

 あすは、九段下のみねるばの森で、多摩大学樋口ゼミ主催の山本裕康によるバッハの無伴奏チェロ組曲連続演奏会の最終日。4番と3番が演奏される。すでに満席。あすの演奏も楽しみだ。

 

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コメント

コンサート聴かせていただきました。お若い演奏家がかなりレベルの高い演奏をされていました。知っている曲が4曲あり生の演奏で聴くのは今まであまり無かったので、今回はこのコンサートを企画運営してくださった方に感謝いたします。0歳からお年寄りまで一同に集える機会もあまり無いので、今回は会場内をずっと観察する様な形でおりました、赤ちゃんは泣くのが当たり前ですから気にはなりません、それよりお母さんの子供をあやす労力は大きいと感じました、男性の方でひと組ですが赤ちゃんをお連れになっていましたね、世のお父さん方はこの情景想像できるでしょうか?
優しいお母さんの腕に抱かれリズムを身体に伝えられ寝ていた子もいました、子守唄の効果でしょうか。子連れで参加出来る事に賛成です、お母さんのストレス発散と良い刺激です。
無料で良い音楽を聴かせていただきありがとうございました。

投稿: あじさい | 2013年6月22日 (土) 21時36分

あじさい様
コメントありがとうございます。そして、当日、おいでくださいましてありがとうございます。
0歳から入場できるコンサートは貴重だと思います。求めておられるお母さん、お父さんがたくさんおられることを認識しました。当日お願いした4人の若い演奏家は、しっかりと音楽に集中して素晴らしい演奏をしてくれたと思います。
女性センターの方々と相談して、このような機会を増やせるように考えてみたいと思っています。それがクラシック音楽を広めることでもあると思います。

投稿: | 2013年6月25日 (火) 07時24分

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