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チェジュ島平和フォーラム2日目

 5月31日、チェジュ島平和フォーラムの2日目。私は22名の多摩大学の学生がこの国際会議に参加しているのを引率する立場で参加している。

8つほどの会場で、午前中から夕方までセッションが行われている。私は、英語も韓国語もできないので、日本語の同時通訳の付いたセッションを選んで聞くことにならざるを得ない。多摩大の学生たちもほぼ同じセッションを聞いて回り、熱心にノートをとっている。学生たちの真摯さが伝わる。もしかしたら、騒いだり眠ったりするのではないかと心配していたが、そんなことはない。しっかりと会議から得ている様子。

 午前中はジョージ・ソロスと並ぶ伝説の投資家ジム・ロジャースの講演。「どこに投資するべきか」が中心の話。印象に残ったのは、日本に対する低い評価だった。「アベノミクスは失敗し、日本経済はひどいことになる」「中国はどんどんと成長し、韓国も成長する」「韓国と北朝鮮の統合は4,5年後に実現する。そうなると、韓国はたくさんの資源と安い労働力を持つ国になり、日本の経済力を追い越す。日本はそれを恐れて邪魔しようとしている」。

 日本の評価が低いせいではないが、私はこの講演にはじつはかなり大きな反感を抱いた。ロジャースはあれこれのことを主張するが、その根拠が十分に示されない。実に雑駁な決めつけばかり。それに、「どうして儲けるか」「どこの株を買うか」という視点しかない。このような人たちが世界を悪くしていると思った。

 そのほか「世界の中のCSR(企業の社会的責任)」についてのセッションにも参加。今回の日本訪問団の大竹最高顧問がパネラーの一人だった。大竹氏はジム・ロジャースのような投資資本主義を批判。日本には100年以上続く店が25万以上あり、それは世界にある100年以上の歴史を持つ店の半分を占めるという。1000年以上の歴史を持つ店は日本に19あるという。それらの店が社会的な責任を果たしてきたことを説明した。

 3人の議論はそれなりに面白かったが、「消費者に対する責任と、消費者ではない人々への責任はどうするのか」「社会的責任をいうからには、企業内告発を守る必要があるが、それをどう考えるのか」という疑問が残った。

 次に、「アジアの連帯協力と新事業新技術が世界を救う」というセッション。株式会社YAMATOの川合アユム社長が、殺菌・除菌・消臭の力を持つ石を開発し、新事業を展開し、それを用いて社会貢献をしていることを説明した。そして、行徳哲夫氏が、現在の日本人が過去の日本人の美質を失っていること、これからは感性を重視した政治・経済を行っていくべきことを提言した。そのあと、下村博文文部科学大臣が到着。すぐに日本と韓国と中国が連帯してグローバルな問題に立ち向かう必要のあることをプレゼンした。なお、下村大臣は韓国からは右翼政治家とみなされているとことで、厳重な警備によって守られながら到着したとのことだった。

 引率してきた学生たちは真剣に聞いている、川合社長のことはご自分がしてきたことをきわめて具体的に話していてわかりやすい。行徳先生の言葉は、まさに人生を知りつくした言葉で、一つ一つに納得がいく。下村大臣のプレゼンも、真摯な人柄が伝わる。

 その後、閉幕の大規模な晩餐会。長い長い挨拶のあと食事。

そして、場所を移動して、日本訪問団の懇親会。下村大臣も参加。多摩大学の学生も含めて多くの参加者が自己紹介や感想などを話した。私もこの会議に出席したおかげで学生たちが成長できたことに感謝を述べ、もっと発信力をつけるための制度を作ってほしいと大臣にお願いした。

 会場には、私たちの訪問団の外から、別のセッションで話をした川村湊氏が参加。法政大学の川村教授と紹介されたので、すぐにはわからなかったが、文芸評論家のあの川村氏。お話を伺いたいと思ったが、多摩大学教授としての役割を果たしているうちに、機会を逸した、

 チェジュ島平和フォーラムについては考えさせられることが多かった。自分の中であれこれと発見した。迷っていたことに決断がついたという思いもある、帰国してからまとめたい。

 今は6月1日の朝9時。あと少しゆっくりしてから、バスで観光に出発し、夕方、日本に戻る。残念ながら、雨模様。観光には好ましい天気ではない。

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コメント

投資家は自分にも投資します。韓国に行けば韓国に都合のいいことを、日本に行けば日本に都合のいいことを言います。そして自分の発言で上がる下がる株をすでにピックアップして売買を行い利益をあげてほくそえんでいることでしょう。そして自分の株もまたあがると。

投資家は理念なき策略家ですので、その発言の内容ははまったくといっていいほど根拠がないのは今にはじまったことではありません。読んでいて、あいわらずだなあと思ってしまいました。学生の皆様にはそういう世界もあることを、そして見聞したものに対する裏付けと情報の精査というものの大切さを感じていただければ、それがいちばんの収穫かと。

投稿: かきのたね | 2013年6月 4日 (火) 22時25分

かきのたね様
コメント、ありがとうございます。
おっしゃる通りだと思います。騙されてはいけませんね。学生には騙されないように教えようと思っています。

投稿: 樋口裕一 | 2013年6月 5日 (水) 23時49分

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