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多摩大学での岡田博美リサイタル なんとも圧巻「タンホイザー」序曲

 9月29日、多摩大学のオープンキャンパス。その一環として、樋口ゼミ主催の岡田博美リサイタルを開催。言葉をなくすほどの圧倒的演奏だった。

 初めにショパンを4曲。プレリュード作品45と「小犬のワルツ」と「猫のワルツ」、バラード第3番。まず多摩大学にあるピアノにこんな美しくてダイナミックな音が出るのにびっくり。その後、シューマンの「森の情景」。かわいらしい曲。音色の美しさに圧倒された。

 だが、そこまではまだほんの入り口でしかなかった。次がリストの「リゴレット・パラフレーズ」。もちろん、ヴェルディの「リゴレット」に着想を得た作品。くっきりと「リゴレット」のメロディが浮かび上がる。きらびやかなピアノの音に圧倒された。

 そして、最後の曲目がワーグナーの「タンホイザー」序曲のリストによるピアノ版。これを何と言えばよいのか。まずは、リストのピアノ編曲に驚いた。初めてこの曲を聴いたが、いやはや、これではおいそれと誰もが弾けるものではない。始まって1分もしないうちに、とてつもない数の音符が猛烈な速さでうごめきあう。鍵盤上の指の運動に息をのむ。そして、それらをこの上なくクリアで透明な音で実現していく岡田さんの音に引き込まれた。華麗でダイナミックで爆発的で官能的で、しかも実に知的で清潔。言葉をなくし、音の洪水に圧倒されるばかり、

 客は100名くらい。岡田さんのファンの数十人がいるが、クラシック音楽を初めて聞くような多摩大のオープンキャンパスに訪れて、ついでにリサイタルに寄った客もいる。そんな人々も、身じろぎもせずに耳を傾ける。みんながあまりに豊饒な音の世界に驚愕し、感動しているのがよくわかる。それだけの力を岡田さんにピアノは持っている。

 こんな凄まじいピアノ演奏を聴いたことがない。クリアで清潔な音なのに魔力にあふれている。感動のうちに終わる。リストから岡田さんまで、いったい何人のピアニストがこれだけの力でこの曲を演奏できたのだろうかと考えた。数人だったのではないかとさえ思う。アンコールに「エリーゼのために」。この曲のおかげで魔の世界から少しだけ現実に戻れた感じ。

 オープンキャンパスでの開催だったので、外の音が漏れたり、コンサートの客が受験生と交じって混乱したりといった問題があった。私たちの準備不足もあった。が、ともあれゼミ生もしっかりと対応してくれた。演奏に素晴らしさのおかげで今回のリサイタルは大成功といえるだろう。

 私自身は、オープンキャンパスで「学部説明・入試説明」をしたり、AO入試受験のための説明をしたり、模擬授業としてゼミ紹介をしたりと、大忙しだった。くたびれ果てた。

 が、ともあれ本日は私にとって、岡田さんの「タンホイザー」を聴いた日として一生記憶に残るだろう。

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