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多摩大学第5回 「私の志」小論文コンテスト授賞式が開かれた

昨日(11月10日)、午前中、多摩大学経営情報学部キャンパス内で、多摩大学主催第5回 「私の志」小論文コンテストの授賞式が行われた。出席者は受賞者8名とその保護者や学校の先生。審査をした多摩大学の教員と運営にかかわった職員。そして、協賛くださった大学新聞社の方。私はこのコンテストの審査委員長ということで、全体の講評を述べ、受賞者に表彰状を渡した。

今年は1600通の応募があり、全体的に大変レベルが高かった。とりわけ、最終審査に残った人々は「志」の内容、文章力ともに目を見張るほどだった。「甲乙つけがたく、どれが最優秀賞になってもおかしくなかった」という言葉が審査委員長の決まり文句になっているが、今回はまさしくその通りだった。10人の教員がいくつもの基準によって審査したが、私自身、審査の過程で数人に同点を付けた。1点差、2点差の人も多かった。それほど接近していた。

厳正な審査の結果、最優秀賞は九州文化学園高等学校の坂口舞さんの「最後が最後であり続けるために」。長崎を最後の被爆地にするためにもっと世界に長崎を知ってもらう活動をしている状況を喚起力のある文体で書かれており、説得力があった。

優秀賞は横浜雙葉高等学校の谷川春菜さんの「私と考古学」と大妻高等学校有賀萌さんの「『他者』と向きあう幸せ」。いずれも自分の体験をしっかりと普遍化し、自分の志を明確に示すと同時に、その社会的意味を深く考察していた。佳作、入選の作品もこれらの3作に劣らない小論文であり、私自身大変感銘を受けた。

私たちの大学は、「志」を持って社会にかかわることを重視している。若者がしっかりとした意識を持って社会に立ち向かい、社会をよくするように努力してほしい。そうすることによって、社会の中の自分を見つめ、自分の考えを明確にしてほしい。そのために、このような小論文コンテストを開き、全国の多くの高校生に改めて自分の志を考え、社会と自分を考え直すきっかけにしてほしいと考えている。

これらの作品は、私たちの望み以上の形で、志をしっかりと示し、社会と自分のかかわりについてそれについて考察してくれた。将来を託すべき若者がしっかり育っていることを確認して、大変頼もしく思った。

私は、高校生の頃、文章は上手なほうだったし、かなり社会的な意識を強く持っていたが、今回の入賞者のようにバランス良くしっかりと自分を見つめた文章は書けなかった。なにしろ、私は高校生の頃、マルクスとニーチェという相反する二人の思想家に夢中になって、自分が社会とどうかかわるべきなのか全く見えない状態だった。そんな私に、他者を納得させるような文章は書けなかった。その意味で、受賞者たちのしっかりした意識に脱帽。

ただ一つ、今回の授賞式で残念だったのは、入賞者の全員が女子だったこと。男子生徒の入賞者がいてほしかった。厳正な審査の結果なのでやむを得ないが、男の一人としては少々さびしい。男子諸君は高校生当時の私と同じような五里霧中状態なのだろうか。

とはいえ、本コンテストに応募してくださった若者が、このコンテストを自分と社会のかかわりを考えるきっかけにしてくれたとすると、関係者としてとてもうれしく思う。

授賞式の後は、軽食を取りながらの懇親会。受賞者やその保護者と話したが、とてもしっかりとした感じのいい高校生たちだった。

午後は、多摩大学経営情報学部のオープンキャンパス。今度は、入試委員長として活動した。

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