多摩大でのクリスマスコンサート 見事な演奏
12月23日、多摩大学経営情報学部101教室で、樋口ゼミ主催のクリスマスコンサートが行われた。演奏は山口豊(ヴァイオリン)と大石啓(ピアノ)。
山口君は、1年で中退して歯科医の道に進んだが、かつての多摩大生。現在はアマチュアのヴァイオリニストとして活躍している。今でも多摩大に愛着を持ってくれているようなので、ぜひ多摩大学で演奏会をしたいと考えていたが、今回実現した。
曲目は「愛のあいさつ」(エルガー)、「シャコンヌ」(バッハ)、「月の光」(ドビュッシー)、「英雄ポロネーズ」(ショパン)、「アリア」(バッハ)、「アメイジング・グレース」、「ツィゴイネルワイゼン」(サラサーテ)、アンコールとして「チャルダーシュ」(モンティ)と 「きよしこの夜」。
初めは少しぎこちなかった。「シャコンヌ」はヴァイオリンのソロ曲の最高峰だが、この演奏は至難の業。名を成したヴァイオリニストでもしばしば破綻する。山口君は、果敢にこれに挑戦して、しっかりと自分の音楽にしていた。多少の失敗もあり、音程が外れたところもあったが、すぐに立て直し、音楽を再構築する。むしろその点に驚嘆。もしかしたら、聴いていた人の中には、この曲の難しさを知らずに不満を持った人がいたかもしれないが、アマチュアでこれほど弾けるのは驚異としか言いようがない。
しかも徐々に調子が上がり、「ツィゴイネルワイゼン」やアンコールの「チャルダーシュ」は、プロとして十分に通用する素晴らしい演奏。ダイナミックで力感にあふれる。
ピアノの大石さんも、ソフトで繊細なタッチで実にすばらしい。「月の光」の響きは本当に素晴らしい。「英雄ポロネーズ」も繊細な中にも情熱的な面を見せ、まさしくショパンらしい精神を聴かせてくれた。二人の音楽性の違いが面白い。互いに補い合ってしっかりした音楽を作っている。
もちろん、世界の超一流の演奏に比べれば、弱点はたくさんある。だが、これだけの演奏を生で大学内で、しかも無料で聴けるというのは実にうれしいことだ。多くの学生が多摩大の先輩の演奏を聴いたことにも意味があると思う。
ゼミ生にはいくつも課題はあるが、ともあれ、私は今回のコンサートは大成功だったと思う。
これで、今年の授業はすべて終わった。あと数日、学務で大学に行く必要があるが、これからはしばらくの間、基本的に家で原稿を書く仕事が中心になる。
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