「ときめきのクラシック」発売 そして佐村河内守事件
拙著『ときめきのクラシック「成熟と若さ」は音楽からの贈り物』(幻冬舎)が発売になった。クラシック音楽を聴くと、成熟すると同時に若さを保つことができる…ということを書いたクラシック音楽入門書。
クラシック音楽に効用はいらない。何の役に立つ必要もない。それ自体で至高の存在だ。だが、効用があることも間違いない。そして、効用を目指して聞いてくれる人がいてもいい。そう思ってこの本を書いた。私は成熟したのは間違いなくクラシック音楽のおかげだし、私がそれなりに若さを保っているのも、クラシック音楽を聴き続けているおかげだと思う。本書では、成熟をもたらす曲、若さを満喫できる曲などを紹介している。
なお、この本は今年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの公式本であって、この音楽祭についての説明、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに出演した演奏家たちについてもかなりのページを費やしている。
繰り返すが、もちろんこれはあくまでも初心者向けの本だ。できるだけわかりやすく、クラシック音楽の魅力が伝わるように工夫したつもりだ。ラ・フォル・ジュルネに関心のある方、クラシック音楽をこれから聞いてみたいと思っている方には是非読んでいただきたい。
なお、先ごろ、TOKYO FMの番組SymphoniaとJFNの番組「学問ノススメ」の収録も行った。いずれも、この本とラ・フォル・ジュルネを紹介するためにゲスト出演する。いずれの収録も、話し上手で魅力的なパーソナリティと楽しく話ができた。
ところで、今日、クラシック音楽ファンに衝撃のニュースが飛び込んだ。先ごろから大きな話題になっていた作曲家・佐村河内守氏の作曲とされてきた曲の多くが、別の人の作曲したものだったという。以前、交響曲第1番のCDを購入。特に感動したわけではなかったが、なかなか良い曲だと思った。これほど注目を浴びているからには、一度ナマを聞いておこうと思って、神奈川フィルによる交響曲第1番と室内楽のコンサートのチケットを購入したところだった。どうやら公演は中止になるらしい。どのような事情なのかはわからないが、このようなことが起こるなんて大変残念。
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コメント
佐村河内守さんについてはいろいろと思う事はありますが、こういうことは過去にもいろいろなジャンルでも起きていることで、さして驚きはしませんでした。
佐村河内守さんが自らのひたすら膨張する我欲(自分を演ずるという部分も含めて)を自制することができなかったことと、日本人としては最もデリケートな「広島」と「311」を利用してしまったことが、今回のこういう事態を引き起こした要因という気がします。最初から「企画・立案」という立場で新垣さんと二人三脚でオープンにやっていれば問題など起きなかったでは?という気もしています。
やり方さえ間違わなければ、多くの人に夢や希望を与え続けていたかもしれないことを思うと、善意と悪意というのはものすごく紙一重である、だけどその紙一重がまたものすごく分厚いということも認識させられる事件でした。
もっともこれは実質的な被害にあわれた方々からみれば、とても不謹慎な発想なのかもしれません。
投稿: かきねたね | 2014年2月 6日 (木) 23時50分
かきのたね様
コメントありがとうございます。
佐村河内問題について考えたことをブログ内に書きました。
よろしかったら、ご覧になってください。
投稿: 樋口裕一 | 2014年2月 8日 (土) 00時31分
>私は成熟したのは間違いなくクラシック音楽のおかげだし、
「私は」
「成熟したのは」
この「…は」の連続は、おかしくないですか。
「私は」ではなく、「私が」ではありませんか?
投稿: おせっかい | 2014年3月 5日 (水) 23時31分
おせっかい 様
拙著をお読みいただき、ありがとうございます。
おっしゃる通り、完全なミスです。お詫びして訂正いたします。また、発見いただきましたことに感謝いたします。増刷されるような場合には修正させていただきます。
専門の校正者にはいってもらっても、どうしてもこの種のミスは残ってしまいます。申し訳ありません。今後とも気をつけたいと思います。
投稿: 樋口裕一 | 2014年3月 6日 (木) 08時07分