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2014年びわ湖ラ・フォル・ジュルネ 4月29日

 4月29日、びわ湖ラ・フォル・ジュルネ。今日も実に充実。素晴らしい演奏の連続だった。私は26日、ネマニャのコンサートのために関西に入り、仕事を兼ねて30日まで京都のホテルに滞在。27日と29日は仕事が休みなので、ラ・フォル・ジュルネを楽しんでいる。ごく簡単に感想を書く。

 

・アンリ・ドマルケット(チェロ) エマニュエル・シュトロッセ(ピアノ) ドヴォルザーク「静かな森」「ロンド」、ブラームス チェロソナタ 第2番

 朝の10時からのコンサートなのに、実に充実。ドヴォルザークでロマンティックな気分を高めて、ブラームスは第一楽章からテンションの高い演奏。畳みかけるように熱く音楽が展開する。が、形は崩れず、きわめて知的。感情に流されることはない。ぐいぐいと聴く者を引きこむ。ピアノのシュトロッセもドマルケット同じように知的で実に音が美しい。 堪能した。

 

・アブデル・ラーマン・エル=バシャ(ピアノ) シンフォニア・ヴァルソヴィアジャン=ジャック・カントロフ(指揮) スメタナ 交響詩「ヴィシェフラド」、ブラームス ピアノ協奏曲 1

  ブラームスはエル=バシャらしい、きわめて精緻で知的で、粒立ちの美しい音楽。ちょっと激情に欠ける気がしないでもないが、この曲はもともと気負いが目立ちすぎる曲なので、このように演奏してくれると、むしろちょうどよい感じ。知的だが、スケールが大きく、抒情があふれる。ただ、前半のスメタナの交響詩は、あまり面白いと思わなかった。

 

 

・トリオ・アリアンス、東条慧(ヴィオラ) ブラームス ピアノ四重奏曲 1

 トリオ・アリアンスというのは、正戸里佳(ヴァイオリン)、ドミトリー・シリヴィアン(チェロ)、岡田奏(ピアノ)から成るパリ音楽院で結成された若いピアノトリオ。素晴らしかった。4人のうち3人が日本人女性なのだが、ひ弱なところはまったくない。情熱的なブラームス。ジプシー音楽の要素の強いこの曲を実にエネルギッシュに、野性的に演奏してくれた。わくわくするような躍動感がある。ものすごい才能だと思った。最初から最後まで引き込まれた。モディリアニ・カルテットやエベーヌ・カルテットやショーソン・トリオなどの最近はやりの、信じられないほど音程がよくて洗練された団体とは少し違う。もっと躍動感を重視するタイプ。これからが楽しみだ。

 

・アレクサンドル・クニャーゼフ(チェロ) 日本センチュリー交響楽団 園田隆一郎(指揮) ドヴォルザーク 序曲「わが故郷」 ドヴォルザーク チェロ協奏曲

 これも素晴らしい演奏だった。クニャーゼフのロマンティックこの上ない演奏。のめり込み、耽溺し、音楽に没入する。実を言うと、このタイプの演奏は私の好みではない。が、園田の指揮がそれを補っている。実にテキパキとして論理的で、重心が低く安定している。しばしば破綻寸前のクニャーゼフを助ける。 おかげで輪郭がはっきりとしながらもこの上なくロマンティックな音楽に仕上がった。ドヴォルザークのロマン性が爆発。美しいメロディ、激情、しっかりとした構成。園田隆一郎という指揮者、名前だけは知っていたが、今まで演奏を聴いたことはなかった。注目すべき指揮者だと思った。

 

・マリナ・シシュ(ヴァイオリン)、アンリ・ドマルケット(チェロ) エマニュエル・シュトロッセ(ピアノ) ドヴォルザーク「ドゥムキー」、ブラームス ピアノ三重奏曲第1番

 シシュという若い女性ヴァイオリニスト。大柄な美人。演奏はきわめて個性的。野性的といってもよさそう。まず演奏する姿勢が独特。左肘をほかのヴァイオリニストよりも内側に寄せているのか、傾いて見える。出てくる音は鋭くてエネルギーにあふれている。「ドゥムキー」ではかなり民族的な雰囲気を出していた。二人のベテランが支えて、ブラームスは圧巻。若きブラームスの煮えたぎる激情が噴出するような演奏だった。

 

 

・ドミトリー・マフチン(ヴァイオリン) アレクサンドル・クニャーゼフ(チェロ) シンフォニア・ヴァルソヴィア ジャン=ジャック・カントロフ(指揮) スメタナ 交響詩「モルダウ」ブラームス ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲

 2階席で聴いたせいか、ちょっと迫力不足に感じた。クニャーゼフにしておとなしい。もっと大暴れするかと思っていたら、そうでもなかった。 マフチンも遠慮がち。カントロフの指揮はとてもよかった。「モルダウ」の後半などカントロフは実にうまく音楽を運び、躍動を作り上げていた。アンコールで第三楽章を繰り返した。アンコールのほうがずっと盛り上がった。

 

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