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ヤノフスキのブルックナー第5番、少々期待外れ

 4月12日、NHKホールでNHK交響楽団定期演奏会、マレク・ヤノフスキ指揮のブルックナーの交響曲第5番を聴いた。先日の「ラインの黄金」があまりに素晴らしかったので期待を大きくして聴きに行ったが、残念ながら私は感動できなかった。

 実はブルックナーの5番は、少々苦手な曲。もちろんブルックナーは大好きなのだが、5番はどうも迷路にはまりこんだ気分になって居心地が悪くなる。ヴァントで聴くと実に納得するのだが、ほかの多くの指揮者で聴くと、しばしば途方に暮れる。

 そして、今日、まさに途方に暮れた。とりわけヤノフスキの指揮は、求心的ではなく、むしろ散漫な感じがした。もちろん素晴らしく美しい音はしばしば聞こえる。出だしの所で大事故があったが、まあブルックナーの実演ではこんなこともあるだろう。だが、そのあとも曲想の変化にどのような意味を持たせているのかがよくわからず、次々に別の曲想が表れては消えていくように思える。全体が一つの統一体をなさない。音の一つ一つに思いがこもっておらず、淡白な断片に思えてしまう。フィナーレになってやっと少し盛り上がったが、それでも特に感動することなく終わった。

 もっと切れがよくたたみかけてくるように全体像を作るブルックナーを期待したのだったが、そうはならなかった。ブラヴォーを叫んでいる人も何人かいたが、心なしか拍手も淡白な気がした。

 ちょっとヤノフスキという指揮者がつかめなくなった。「ラインの黄金」との差が大きすぎる。また機会があったら聴いてみたい。

 

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コメント

ヤノフスキは、サヴァリッシュさんに指揮を師事したらしいです。定期の二日目に聞きましたが、サヴァリッシュの演奏スタイルに似ているような気もしました。フライングとまで言わないもののやや早いブラヴォーの声に失望しました。

投稿: music is my favorite pastime | 2014年4月17日 (木) 14時52分

music is my favorite pastime 様
コメント、ありがとうございます。
サヴァリッシュと似ているとは、私はこれまで考えていませんでした。「リング」に関して言いますと、クレメンス・クラウスの系列だと考えていました。が、言われてみれば、サヴァリッシュとも共通点はあるように思います。あと何度か聞いてみたい指揮者です。

投稿: 樋口裕一 | 2014年4月19日 (土) 07時51分

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