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2014年5月4日ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン

 5月4日のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン。素晴らしい演奏にいくつかであった。昨日よりは1時間ほど早くコンサートは終わったが、既に夜遅い。ごく短く感想を記す。

 

・アダム・ラルーム(ピアノ)、モディリアーニ弦楽四重奏団 ブラームス ピアノ五重奏曲

 

 端整で繊細で細身の演奏。しかし躍動感があり、ダイナミックでもある。きわめて機能的な動物の精悍な動きを見るよう。魂が躍動した。とりわけ第34楽章に圧倒された。ピアノも素晴らしいが、弦も素晴らしい。モディリアーニ弦楽四重奏団の力のほどを思い知った。

 

・「手紙からひも解くモーツァルト歌曲の世界」 天羽明惠(ソプラノ)、中田淳也(ピアノ)、村上信夫(朗読)。

「春への憧れ」「すみれ」「クローエに」「夕べへの想い」など。

  手紙によって時代ごとのモーツァルトの精神を紹介し、それを歌で表現していく。前半、清純できれいな歌が続くが、後半、モーツァルトの死が近づくにつれて深い精神の世界になる。そうなると、天羽さんの本領発揮。天羽さんらしい迫力のある歌。コンサートの後でお見かけしたので、挨拶して感動を伝えようと思ったが、食事中だったので遠慮した。

 

51b6nsoksjl__aa160_  この後、ラ・フォル・ジュルネ公式本「ときめきのクラシック」の著者として、会場内で小さなサイン会を行った。心配していた通り、あまり客が来なかった。残念。この本、これまでの日本のラ・フォル・ジュルネの歴史、そこで活躍した人々についても説明しているので、ラ・フォル・ジュルネのファンには楽しめる内容になっているはず。よろしかったら、購入いただきたい…とここで少し宣伝させていただく。

 

・ラファエル・セヴェール(クラリネット)、プラジャーク弦楽四重奏団

モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 、クラリネット五重奏曲

 

 しみじみとした良い演奏。第2楽章は特に心にしみた。私はこの曲に特別の思いを抱いている。昔見たフランス映画「幸福」を思い出す。最初の曲アダージョとフーガも「幸福」につかわれていた。愛のはかなさ、生きる悲しみがふつふつと湧き上がる。それが私自身の人生にも重なる。しみじみと感動した。ただ、ちょっと音楽を小さく作りすぎているのではないかと思った。これではセゼールスケールの本領が発揮できないのではないか。

 

 ・アダム・ラルーム(ピアノ)、横浜シンフォニエッタ、ジョシュア・タン(指揮)

 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」モーツァルト ピアノ協奏曲第24

  文句なく素晴らしい演奏。若い演奏家たちの実力を実感。タンの指揮も見事。しっかりとオケをコントロールし、ニュアンスをつけ、自然に流れるように、しかもメリハリをつけて演奏。オケも素晴らしい。それにもまして、ラルームの絶妙のニュアンスの粒立ちの美しい音に驚嘆。濃淡の付け方が見事。音楽のなかに没入できた。

 

・オーレリアン・パスカル(チェロ)、ジュヌヴィエーヴ・ロランソー(ヴァイオリン)、クレール・デゼール(ピアノ)

 初めに、ロランシーのヴァイオリンでドヴォルザークのヴァイオリン・ソナタ。ちょっと平凡。特に際立ったところのない演奏だった。次に、パスカルのチェロでドヴォルザークの「静かな森」と「ポロネーズ イ長調」。かなり深く歌わせるタイプのチェロ。パスカルは昨日、シューマンの五重奏曲を「フォル・ジュルネ・カメラータ」の一員として演奏しているが、その時はチェロが一人だけ深々と歌わせるのに違和感を覚えた。が、一人で演奏するのであれば、これはなかなか味があっていい。

 

・アブデル・ラーマン・エル=バシャ(ピアノ)

 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第30番、第29番「ハンマークラヴィーア」

 

  よみうり大手町ホールに移動して聴いた。とても響きのよいホール。500人程度の収容。エル=バシャの演奏は見事。情緒に流されることもなく、集中力が途切れず、これらの名曲を演奏しきった。孤高の精神を歌いあげている。自由すぎず、かといってかしこまってもいない。達観した境地を描きだす。きっと素晴らしい演奏なのだろう。ただ、残念ながら、私はずっとピアノ曲になじまないで生きてきた。ベートーヴェンの後期のソナタを十分に理解していない。しばしば深く感動しつつ、しばしば音楽の流れに戸惑った。

 

・小菅優(ピアノ) ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第19番・20番・21番「ワルトシュタイン」

 素晴らしい演奏。とりわけ「ワルトシュタイン」は圧巻。音楽の構成がしっかりして、実に自然でドラマティックに音楽が流れる。力感にあふれ、躍動感にあふれている。一つ一つの音も実にニュアンス豊かで美しい。第一楽章と第三楽章はしばしば魂が震えた。すごいピアニストだと思った。

 

・プラジャーク弦楽四重奏団、ジュリエット・ユレル(フルート)

 モーツァルト 弦楽四重奏曲第20 「ホフマイスター」、フルート四重奏曲第4番・第1

 「ホフマイスター」については、きれいにまとまっている印象。ただ、それ以上はあまり感じなかった。フルートのユレルはきわめて率直な演奏。細かいニュアンスを込めようとはしないで率直に吹く。が、それが実に心地よい。若いモーツァルトの世界を描き出す。のびやかで明るくて若々しい。フルート四重奏曲の第1番は躍動する素晴らしい演奏だった。

 

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