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新国立劇場「アラベッラ」 ともあれ満足

5月31日、新国立劇場で「アラベッラ」を見た。2010年に続いて、このプロダクションを見るのは二度目だが、十分に楽しめた。

 ただ、第1幕では、オケ(東フィル)が十分に伸びず、やや欲求不満 。このオペラは、オケがピッタリ合い、精妙な音がしてこそ、最高の効果を発揮する。歌手たちも本調子ではないようで、ギクシャクしていた。難しいオペラだとつくづく思った。第2幕あたりからやっと調子が上がってきたように思う。第3幕はやはりシュトラウスの音楽の力で深く感動した。

アラベッラのアンナ・ガブラーは、清楚にしっかりと歌っているが、欲を言えば、もう少し存在感がほしい。ちょっと地味な印象を持ってしまう。ヴォルフガング・コッホのマンドリーカは存在感はあるが、声が伸びない。ズデンカを歌うアニヤ=ニーナ・バーマンは可憐でとてもいい。少年っぽさも出して、エロティックな雰囲気を漂わせる。マッテオのマルティン・ニーヴァルは、頼りなげでマッテオらしいとは言えるが、ちょっと声が弱い。

 そのほか、日本人歌手たちもフィアッカミッリを歌う安井陽子をはじめおおいに健闘していた。私はとりわけ、エルメルを歌う望月哲也に感銘を受けた。

 ベルトラン・ド・ビリーの指揮は、手堅いという感じなのだが、もうすこしドラマティックでもよいのではないかと思った。第三幕の前奏曲。これはエロティックで衝撃的な場面を描く音楽のはずだが、かなり淡々としていた。もしかすると、そのような場面ではないという解釈なのだろうか。

  演出はフィリップ・アルロー、衣装は森英恵。美術的にはとても美しい。すべての幕がブルーを基調としており、統一感があると同時に、清楚で深い味わいを出している。

 ただ、舞台の奥のほうであれこれと喜劇じみたパントマイムが行われているのは、ちょっとうるさく感じた。喜劇であることを強調したいのだろうが、音楽とマッチしているとは思えない。「アリアドネ」などではやってもよいと思うが、「アラベッラ」の音楽にそのような要素はないと思うのだが。

 しかし、ともあれ第3幕は、まんまとホフマンスタール+シュトラウスの手に乗せられて、心ときめき、感動し、うっとりした。・・・ただ余計なことだが、無二の親友と思っていた人物が実は女であり、しかも、つい今しがた愛を交わした相手だったと知ると、かなり複雑な感情を持つだろうなと思った。今まで見たいくつかの演出では、すぐに納得したように描かれていたが、アルローの演出ではそれほど単純に描かれてはいなかった。納得。

 

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