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新国立の「道化師」に興奮

521日、新国立劇場で、マスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」とレオンカヴァッロ作曲「道化師」を見た。とりわけ「道化師」に興奮。

「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、ヴァルテル・フラッカーロの歌うトゥリッドゥは素晴らしかった。きれいで張りのある声が伸びる。声量も十分。サントゥッツァのルクレシア・ガルシアについては、声量は十分で、特定の声域では素晴らしいのだが、時々音程があやしくなるのを感じた。アルフィオの成田博之、ローラの谷口睦美も十分に外人勢に対抗していた。

 指揮のレナート・パルンボはメリハリがあり、スケールが大きくてとてもいい。東フィルの良さも十分に引き出している。管楽器がとりわけ美しい。ただ、「カヴァレリア・ルスティカーナ」に関しても、もう少しじわじわと迫力が高まるような指揮でもよかったのではないかと思った。ちょっと大味な感じがしないでもなかった。

「道化師」は、ヴィットリオ・ヴィテッリの前口上からして、実にすばらしい。伸びがあり、深みがあり、このオペラ特有の悲しみ、怒りのこもった歌が見事。

カニオのグスターヴォ・ポルタ、ネッダのラケーレ・スターニシ、ペッペの吉田浩之、シルヴィオの与那城敬はいずれも最高のキャストだと思った。与那城は歌唱だけでなく、容姿的にも西洋人にまったく引けを取らない。ネッダとシリヴィオの二重唱は、これまでに世界の名舞台と変わりないほどの説得力だった。道化芝居の場面のカニオ、ネッダ、トニオ、ペッペ、シルヴィオの声には息をのんだ。とはいえ、やはりグスターヴォ・ポルタの声の張りと名演技は圧倒的だった。「衣装をつけろ」のアリアは絶品。

 指揮に関しても、素晴らしかった。振幅が大きく、ドラマティック。文句なし。三澤洋史指揮の合唱も見事。それぞれのオペラの雰囲気をよく出して、声量、表現も見事。演出は2本ともジルベール・デフロ。いずれもとても納得できる演出。「カヴァレリア・ルスティカーナ」はシチリアを表に出した演出で、海岸の雰囲気。「道化師」は群衆をうまく使って力感を出していた。

 ドイツ系のオペラを中心に聞いて、イタリアオペラがかなり苦手な私も、「道化師」にはただただ引き込まれてみるばかりだった。新国立のこれまでの上演の中でも最高レベルだったと言えるのではないか。私は大いに感動し、興奮した。

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  ところで、私は1階の前方の通路側の席に座っていたところ、客席まで繰り出した旅回りの一団の芝居のチラシを手渡された。表と裏を写真に撮って転載しておく。

 帰宅が遅くなったので、このくらいにする。ともあれ、とても満足。

 

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