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ミロ・クァルテットの「ラズモフスキー」3曲

 5月10日、第一生命ホールでミロ・クァルテットの演奏で、ベートーヴェンの「ラズモフスキー」全3曲を聴いた。2月に予定されていたが、メンバーの都合で延期になったのだった。いかにもアメリカの弦楽四重奏団という印象を持った。

 はじめは違和感を抱いた。ともかく、あまりにアメリカ流。高度な技術でバリバリ演奏。アンサンブルは素晴らしく、しかも音がしなやかで、歌わせるところは歌わせる。どこといって文句はないのだが、あまりに前に張り出してくる。もう少し内面的で内省的な面がほしい気がしてくる。先日のボストン交響楽団のチャイコフスキーのロシア臭さがまったくなかったと同じように、ウィーンらしさがない。恐ろしく上手な人たちが仕事としてベートーヴェンを演奏している・・・という印象だった。

 前半に弦楽四重奏曲第7番、後半に第8番・第9番が演奏されたが、私は後半になってから、やっと納得し始めた。とりわけ、最後の第9番は圧倒された。第4楽章の音の積み重ねのものすごさ。そして音楽そのものの持つ愉楽。ヨーロッパ的な「精神性」のようなものはあまり感じられないが、音楽そのものの楽しみが感じられるのは間違いない。のめりこみすぎず、音楽にメッセージを込めようとはせず、かなり即物的に音楽を作っていくが、そこに音楽そのものの美しさ、音楽そのものの醍醐味が現れる。私の大好きなタイプの演奏家というとそうではないが、このようなベートーヴェンもまた素晴らしいと思った。

 アンコールは弦楽四重奏曲第13番のカヴァティーナの楽章。精妙で息が合っていて、これもまた満足。

 

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