道楽亭で落語4席を聞いた
6月18日、新宿2丁目にある「道楽亭」で落語を聞いた。実は、ナマの落語を聞くのは30年ぶりくらい。20代のころ、毎週のように末広亭に通っていたが、30歳を過ぎたころから、足が遠のいた。その後、テレビ、録画ではずいぶん楽しんできたが、そういえば、まったく寄席に通わなくなってしまった。
道楽亭は高校時代の同級生である橋本龍児氏が経営する小さな寄席居酒屋とでも呼ぶべき場。ずっと前から一度行こうと思いながら、機会がなかった。が、多摩大学の私のゼミでそのうち落語を企画しようということになって、ゼミ生二人を連れて出かけた。
出演は前座から二つ目に昇進したばかりの古今亭始さんと関西出身でかつて吉本興業に所属していたという鈴々舎八ゑ馬さん。まずは古今亭始の「初天神」。きわめてポピュラーな出し物だが、軽やかで、こましゃくれた子どもの描写がとてもおもしろい。後半の「鈴が森」も、ドジな泥棒の様子が楽しい。ただ、後半、少し余裕をなくしたように思えたが、客が20人程度の小さな小屋で演じるのも、客が迫っているだけにやりにくいだろうと思った。
鈴々舎八ゑ馬さんは、さすがに一日の長があると思った。これもおなじみの「青菜」をはじめに語ったが、人物の描きわけも鮮やか、関西弁の明るい語り口も面白い。後半は「幸助餅」。これもポピュラーな人情噺。しみじみとしてはいるが、八ゑ馬さんの明るいキャラクターのせいでからっとしていて、それが最後にしんみりさせる効果を上げていた。
これほど狭い小屋で聞くと、臨場感があって実にすばらしい。語り口の一つ一つを楽しむことができ、言葉によって鮮やかに雰囲気が立ち上がる。そして、客との間に一体感が生まれる。それがまた楽しい。
30数年落語から遠ざかっていた私としては、あれこれと語る資格はない。が、ともあれ、とてもとても面白かった。これからもっと落語を見ようと、本当に思った。
終演後は、演者さんと残った客で打ち上げ。ゼミ生とともに私も残って話に加わった。落語通が数人、初心者も数人、私はその中間。中に一人、幼稚園のころから落語好きで、いまも落語おたくという若くてきれいな女性がいたのでびっくり。八ゑ馬さん、始さん、ともに話がうまくてコミュニケーション力があるので、とても楽しい雰囲気がうまれた。
せっかくの楽しい夜だったが、ただ、新宿駅に向かう途中、地下街に降りたら道に迷ってしまい、電車に乗り遅れそうになって、途中から500メートルほど小走りに駆けた。20歳ころからスポーツと呼べることは一切せず、とりわけ30歳を過ぎてからは、走ることもほとんどなかった私としては、駅に着く前に息が上がり、足ががくがくして、しかも酔いが回って気分が悪くなった。夜中になって家についても、風呂からあがって寝るときになっても、まだ最悪の気分が抜けなかった。今朝、目が覚めても、まだ足ががくがくしている。実に情けない・・・
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コメント
落語はいいですね。私も時々、寄席や落語会にいきます。
ところで先生、私とスキーをしませんか。走らなくていいですよ。
滑るだけです。
投稿: 豊島健次 | 2014年6月22日 (日) 07時44分
豊島健次 様
コメント、ありがとうございます。
落語の楽しさを久し振りに満喫しました。今度は久しぶりに寄席に行ってみようと思っています。
が、スキーはご勘弁ください。これまで、恩師、友人、家族に誘われながらも、断固拒否を続けています。自慢ではありませんが、スキーもスケートも一度もしたことがありません。
投稿: | 2014年6月23日 (月) 09時47分