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びわ湖「ラインの黄金」 意欲的試み

 

 721日、びわ湖ホールで、「ラインの黄金」を見た。子どもも楽しめるようにと、日本語の訳詞による上演。確か「アラベッラ」公演の時だったと思う。新国立劇場で演出家の三浦安浩さんとお会いして、びわ湖ホールでのこのオペラの上演を知った。ちょうどうまい具合に仕事で関西に行く用ができたので、これ幸いに見に来た。

 上演の前に三浦さんの話があった。子どもに親しませる工夫としては実によくできている。

 演奏に関しては、なかなかの健闘というべきだろう。三人のラインの娘たち(飯島幸子・田中千佳子・本田華奈子)はいずれもレベルが高い。彼女たちの登場で、このオペラ上演がかなりのレベルであることを示してくれた。アルベリヒの砂場拓也にも、私はとても惹かれた。毒のある役を実にうまく歌っている。ヴォータンを歌う林隆史は外見的にも声に質も気品があって、実に神様らしい。フリッカの森季子も伸びのある声で見事。ローゲを歌う古屋彰久は難しい役を的確にこなしている。五島真澄(ファゾルト、的場正剛(ファフナー)のふたりの巨人もどっしりとしていかにも巨人らしい。ミーメを歌う青柳貴夫も、いかにも卑屈でうまい味を出している。

 指揮は大川修司、管弦楽はザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団。どういう団体なのかよく知らないが、やはり少し弱い。ところどころ心細い音が出てくる。オーケストはピアノにより補強されており、編曲とピアノを受け持つのは寺嶋陸也。大オーケストラでなく、このような簡易版による上演もあってしかるべきだと思った。ともあれ、全体的にはまったく違和感なく、ワーグナーの音が出ていた。

 三浦さんの演出については、とてもわかりやすかった。子どもでもわかるようにということで、凝った解釈は示されない。私の周りにも子どもはたくさんいたが、心から楽しんでいる様子。何人もの子どもたちが、カーテンコールで盛大な拍手を送っていた。ワーグナーのかなりとっつきにくい楽劇なので、いくらなんでも無理ではないかと思っていたが、まったくそんなことはない。このオペラが子どもでも楽しめるものであることを証明して見せてくれた。私にはちょっとしたうれしいショックだった。

 私が驚いたのは三浦さんによる訳詞だった。音楽にぴったり合っている。日本語として不自然なところは残っているが、しかし、ほとんどの部分で驚異的に音楽に合致している。音楽に合わせるために、たとえば、「声が聞こえる」としないで、「聞こえる。声」というような訳詞(ただし、ここに例を引いたのは、単なる例であって、本当にこのようなセリフがあったかどうかは定かではない)にしている。うまい工夫だと思った。

 ともあれ満足。これを4000円ほどでみられたのは実にうれしい。こんな試みが増えることを祈る。

 実はこの1週間ほど散々だった。

 不快の最大の原因はパソコン。4月に2台購入。Windows8.1を使いこなせずに苦労し、5月になってやっと少しずつ使いはじめた。ところが、そのうちの1台であるメインで仕事に使っているdynabookが不調。「自動修復中です」「回復」「このPCは修復が必要です」などの表示が度々出る.何度もサポートセンターに電話して丁寧に対応してもらい、一度は全部を消去して初期化した。そして、再びデータをいれ直したが、また同じような症状。ついには、pdfが読めなくなり、それを回復するために色々といじっているうちに、Outlookも呼び出せなくなり、メールが読めなくなった。

 出かける間際にメールが読めないことに気づいたため、かりかりしながら車で家を出たら、早くハンドルを切りすぎてしまい、我が家の車を止めるスペースの前の門扉を車の側面でこすってしまった。車に傷がつき、門扉はゆがんで使えなくなった。大損害!!

 パソコンについは、どうしようもなくなって出張サポートの方に来ていただいた。だが、それでも直らず、むしろ、「そもそもハードディスクに問題がありそうなので修理にだすほうがよい」とアドバイスされた。

 そしてもう一つ厄介なのは、家の壁に蜂の巣ができているのを妻が発見したこと。これも何とか対応しないことには。

 16日の朝刊で、朝日新聞社の元取締役で、「アエラ」の初代編集長だった富岡隆夫さんが亡くなったことを知った。

 富岡さんとは、1999年にバイロイト音楽祭ツアーで知り合った。朝日新聞の元社長の中江利忠さんご夫妻もご一緒だった。とても親しくさせていただいた。中江さんとともに日本に戻ってからも何度かお会いした。カラオケで中江さんの見事な歌を聴いたのも富岡さんのはからいだった。知的であり、しなやかでユーモアに溢れていた。いろいろとお世話になり、いろいろと教えていただいた。療養中だとは聞いていたが、亡くなられたと知って残念。楽しかったバイロイト音楽祭のことを思い出した。通夜に参列する予定でいたが、仕事が長引いていけなかった。合掌。

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