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フランクフルト到着

 8月4日、早朝に自宅を出てバスで成田に向かい、JAL機でフランクフルトに着いた。7日からザルツブルク音楽祭を楽しむ予定。昨年度、入試委員長として猛烈に忙しい一年を過ごしたので、自分への褒美として、ザルツブルク音楽祭を考えていた。もちろん、一人旅。

 飛行機は快適。それもそのはず。マイレージを必死にためて、アップグレードした。実を言えば、もっと後の出発でもよかったのだが、アップグレードの関係でこの日しか空いていなかった。

 空港から列車で中央駅まで行こうとしたが、道に迷い、しかも荷物が重いので、めげてしまって、タクシーでホテルへ。タクシーで乗り付けるには、あまりに駅に近く、あまりに貧相なホテルなのだが、仕方がない。フランクフルト中央駅のすぐ近くの3星ホテル。

 私は、ヨーロッパで貧乏旅行をしていた20代、30代のころの習慣で、多少経済力ができた今も、高級ホテルは敷居が高いと感じてしまう。そもそも旅というのは、忙しい自分から逃れて、かつての悩み多かったころの自分(すなわち貧しかったころの自分)に戻る行為でもあるだろう。安ホテルこそが旅の楽しみだという意識がある。ただ、さすがに星なしや1つ星はつらいので、3つ星くらいにしている。

 が、ホテルに入るたびに、あれこれの不備を見つけて、やはりもっと良いホテルにしておけばよかったと後悔するのだが、今回もまた、カーテンが閉まらないやら、エアコンがないやら、wifiが通じたり切れたりやらの、予約した時に考えていたのと異なる点がいくつかある。が、まあこれも旅の楽しみ。文句を言っても始まらない。

 ホテルで一休みしてから、明日からの列車の予約をするためにフランクフルト中央駅に行った。45分ほど待ってやっと予約できた。駅のスタンドでサンドイッチを食べて夕食がわり。

 フランクフルトはこれまで5回以上は立ち寄っている。駅付近は、ごちゃごちゃしていて、薄汚い。有色人種も、私自身を含めてかなりいる。今度泊まったホテルの近くには見当たらないが、一昨年泊まったホテルの近くは、かなりいかがわしい店が並んでいた。中心街の近代的な建物とはかなり様相が異なる。私はこのような雰囲気は決して嫌いではない。ただ、もちろん、妙な好奇心を起こして中に入ると大変なことになりそう。

 さっきから花火の音が聞こえている。風呂に入ったばかりなので、見に行くのは億劫。窓から顔を出したが、私の部屋からは見えない。が、ななめ向かいの棟の窓が鏡になって、花火の映像は見える。これでよしとしよう。

 今日はしっかりと寝て、時差ぼけを一刻も早く治したい。

 

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コメント

ご無沙汰しております。ザルツからのレポートを拝見出来るいいタイミングでした。偶然といえば偶然ですが、ナチの毒牙から逃れるためにフランクフルトからアムステルダムに逃れ、更にオランダ進攻して来たその魔の手から身を隠していたフランク家の人達、同居していたユダヤ人が捕まってからちょうど70年という日でしたね。個人的には、1974年8月4日は、家族で初めて東京に行くために、宮崎県日向市の細島港からフェリーに乗った日、翌日川崎に着いて埼玉県にいる親戚の家に泊まりました。途中に通った首都高から、今までテレビや写真でしか見た事がなかったものが次々生でく見えて来たので興奮したものです。
それではザルツブルガー・フェストシュピーレのお話を楽しみにしておりますので、樋口先生もたっぷりお楽しみ下さい\(^^)/。

投稿: 崎田幸一 | 2014年8月 5日 (火) 21時54分

崎田幸一 様
コメント、ありがとうございます。
ドイツの各地に忌まわしい過去を持つ土地があるようです。楽しんだあと、本を読んで、そこが激戦の地であることを知ったり、古いものだと思ってみたものが、実は大戦で破壊された後に再建されたものだと知って愕然とすることがあります。それがドイツを旅する一つの意義ではありますが。

投稿: 樋口裕一 | 2014年8月 7日 (木) 21時56分

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