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石田泰尚のヴァイオリン・リサイタルと黒田官兵衛のこと

9月22日、代々木上原のムジカーザで、石田泰尚のヴァイオリン・リサイタルを聴いた。ピアノ伴奏は中島剛。石田さんのソロを聴くのは初めて。

前半はバッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番とベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第2番。後半に、ブラームスのF.A.E.ソナタよりスケルツォとヴァイオリンソナタ第3番。アンコールはクライスラー「シンコペーション」、ブラームスのハンガリー舞曲第8番、クライスラー「プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ」。

前半のバッハはまだ指が暖まらないようで、少しもつれる感じだったが、徐々に調子が上がってきて、後半は素晴らしかった。とりわけ、ブラームスのソナタと最後のアンコール曲は最高。

音の輪郭が鮮明で思い切りがいい。音がすくっと立ち上がる感じがある。そこに情熱のこもった音楽が展開されていく。ブラームスでは少し遠慮がちだったが、アンコール曲は自在に音楽を動かして、切れの良い大見得を切った演奏。ピシッと決まった。実に躍動感にあふれている。ピアノもしっかりとヴァイオリンを補佐して見事。

このホールに来たのも初めて。120席の小さなホールなので、演奏者といった位になれる。響きもいい。オーナーが井上道義さんの関係者だとのことで、途中から井上さんが後ろの席におられた。

 

ところで、「黒田官兵衛」について一言。実は私はNHKの大河ドラマはほとんど見ない。歴史ドラマを見ると、「これは史実なのだろうか」と気になって仕方がない。オペラくらいデフォルメされていたら、うそだと思って平気で見られるが、テレビドラマとなると、事実でもない脚色に強い違和感を持つ。だから、「黒田官兵衛」もほとんど見なかった。

ただ、舞台が中津になるということを予告で見てから気になり始めた。

大分県中津市は、私が5歳から9歳まで暮らした土地だ(父が転勤族だったため、私は5歳まで大分県日田市で育ち、その後、中津市に移り、小学校5年生から大分市に住んだ)。

小学校のころの遠足だったか、校外授業だったか、赤い壁の寺に連れていかれたことがあった。「侍たちがだまし討ちにあって、大勢が殺された。当時は白壁だったが、血で汚れ、いくら塗りなおしても、恨みのために血が浮き出てきた。そのために、のちに壁を赤く塗った」という説明を受けた。50年以上前に聞いたことだが、そのエピソードは鮮明に覚えている。そして、中津には「如水」という地域があり、「如水会館」という建物がある。鶴姫の話も中津ではしばしば耳にしていた。

だが、小学校4年生で中津を離れたこともあって、それは断片的な知識のままで終わっていた。黒田官兵衛がテレビドラマで扱われるようになってから、如水というのが黒田官兵衛の出家後の号であることを知った。そして、合元寺の赤壁のエピソードは、黒田氏が、それまで中津を支配していた宇都宮氏を討った時のことだと知った。鶴姫が宇都宮氏の人質だったことも知った。

そして、先週と今週の2回、続けてNHKの「黒田官兵衛」を見た。長い間、忘れていた子どものころ聞いた物語が、テレビドラマのおかげでやっと鮮明になった思いがする。

 

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コメント

私は、樋口裕一さんの全てが大嫌いです!!(顔もネットで見ましたがとてもキモいジジィでした)マーラー嫌いの自己顕示欲の強い頑固なジィサンって見解があります。この前、樋口裕一さんの本を全部、BOOK・OFFに売りに行ったら、「人気が無い本ですので1円にもならない、むしろ処分代金にお金がかかる」と言われ、即刻、焼却炉に入れて全部、燃やしました、名前も不快な名前で早く死んで欲しいと祈っています、マーラーの名前で売名行為し自己顕示する頑固なジィサンってイメージがあります。それとブログも全く面白くないのに検索で現れるので困っています。「樋口じぃさん…死んでくれ」と家族全員で嫌っています。樋口裕一さんの悪口をこれからもネットで書き続ける強い意志があります!、自分は、R.シュトラウス、が超嫌いです。メロディが無いからです、お金儲けで曲を作っていたR.シュトラウスは好きではありません、曲もマーラー以上に長く感じます。マーラーの交響曲は長くてもメロディや物語性があるので自分はもっと聴きたいと足りないと思うくらいです、人気でもマーラーの方が2回も映画化されたりしてますが、R.シュトラウスの映画を見たがる人はいません、人間的な魅力がないからだとおもいます。作曲家の魅力も無いと後世には残りません、マーラー程、カッコいい曲を書く人はいないと思います。ワーグナーやベートーベンを越える作曲家、ロマン派から、現代に橋渡ししたのがマーラーであって、R.シュトラウスは、現代に橋渡ししと書く評論家はいません。

投稿: 樋口裕一 、大嫌い!!集まれ!さん | 2014年10月15日 (水) 03時06分

樋口裕一 、大嫌い!!集まれ!さん
 コメント、ありがとうございます。しかも、合計10を超す中傷メールをいただいて大変光栄です。
同じ文面ですので、ほかはすべて削除させていただきました。
 私のことが大嫌いだということ、実にうれしいことです。
おそらく、文章の内容から考えて、中学生か高校生とお見受けします(大学生以上であれば、もう少し音楽史の知識を用いて論理的に批判するでしょうから、大学生以上ということはないと判断します)。中学・高校の時代に自分よりも年上の敵を作って、それに刃向うのはとても良いことだと思います。
私も、中高のころ、担任の教師や時の総理大臣や川端康成やマーラーやディーリアスを嫌い、そうすることによって現在の自分の価値観を作ってきた思いがあります。時が巡って、私がそのような嫌われる存在になれたということは、大変うれしいことです。私を嫌い抜き、私をはるかに超え、素晴らしい世界観を作り上げてください。私は一介の教師ですので、若者に乗り越えられることは教師冥利につきます。
 ところで、マーラーが高潔な人物であり、そのマーラーを尊敬しているのでしたら、ご自分もそれを見習ったらどうでしょう。他人のブログに匿名で非論理的な誹謗中傷を書いていやがらせをするというような卑怯なことはしないで、堂々とお名前と所属を明示して、きちんと論理的に批判なさるべきでしょう。匿名で中傷するような卑劣な行為は、あまりに恥ずかしくありませんか? マーラーが生きていたら、きっと心から軽蔑すると思いますよ。少なくとも私は、自分の名前を出し、著書の中でシュトラウス観、マーラー観を示したうえでマーラー嫌いを標榜していますよ。
 これからさき、私のブログに投稿してくださるのでしたら、所属している中学校か高校の名前を書いたうえで、ご自分の考えの根拠を「映画になっている」「・・といった人が多い」というレベルのことではなく、ご自分の意見として論理的に語ってください。できましたら、私の著書を読んだうえで、そのどこが間違っているか、どこが偏っているのを指摘していただけると、とてもうれしく思います。

投稿: 樋口裕一 | 2014年10月15日 (水) 07時32分

黒田官兵衛の名前は、最初小中学生を対象にした学習歴史漫画の中でちょっとだけ出て、秀吉と会話している場面が出てきて知りました。
その後高校に入学し、学校と下宿先がある別府市内の書店で買った司馬遼太郎の『関ヶ原』で、脇役ながら大変重要な、家康に恐れられるという役どころで登場しました。タイトルの通りもう晩年期に当たるので如水という名になっていました。
その後ひょんな事から、現在の別府市内を戦場として大友と戦ったと知りました。現在でいえば城島高原の辺りでしょうか。
官兵衛が中津城主だった事があった事を知ったのはこのドラマででして、同時に秀吉の命令とはいえ、生涯唯一の汚点を残したというのも初耳でした。樋口先生も中津に住んでおられた事がおありだったんですね。
中津は小3終わりの春休み(1973)に、耶馬溪に行った時通過した事があるだけですが、歴史がある街ですからいずれ寄りたいですね。

投稿: 崎田幸一 | 2014年11月13日 (木) 22時10分

崎田幸一 様
コメントありがとうございます。
別府市も黒田官兵衛と関係があったんですね。私も、今度、大分に寄生するときには。中津に足を延ばして、かつて住んだ地域の付近を見たいと思っています。

投稿: 樋口裕一 | 2014年11月18日 (火) 09時54分

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