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ツェートマイヤーの凄まじいカプリース

 10月13日、武蔵野市民文化会館小ホールでトーマス・ツェトマイヤーのヴァイオリン・リサイタルを聴いた。曲目はパガニーニのカプリース全曲。凄まじかった! ものすごいヴァイオリニストだと思った。

 これまでなぜか私はツェートマイヤーにはほとんど触れてこなかった。特に避けたわけではなかったが、先入観を抱いていたような気がする。これまで触れてこなかったことを強く恥じる。

 とてつもないテクニック。この凄まじい難曲をいともやすやすと弾きこなす。第1曲の冒頭からして、あまりの指使いに度肝を抜かれた。まさしく鮮烈。指がまったくもつれることなく、のびやかで強くて美しい音を奏でる。

 が、単に技巧だけのヴァイオリニストではない。クリアで冷徹なまでに正確な音の奥に、突き抜けた自由な精神のようなものが感じられる。まったく形を崩していないのに、音が美しく、のびのびした空気が流れている。そして、たった一台のヴァイオリンで、音楽にドラマが生まれていく。厳しくも美しい波乱万丈のドラマ。しかもきわめて高貴。

パガニーニの音楽がバッハの高みを持っている。いや、バッハよりもいっそう自由な精神があふれているだけに、ある意味での崇高ささえ感じる。 

こんなカプリース初めて聴いた。同時に、今まで私が抱いていたパガニーニ像は間違っていたのではないか、もしかするとバッハやベートーヴェンに匹敵するような作曲家なのではないかとも思った。

アンコールは、ツィマーマンの無伴奏ソナタ、そして、イザイのソナタ第3番、最後にバッハのソナタの第三番。これらも完璧。唸ってしまった。

まったくおもねるところのない硬派のヴァイオリン。それでいて、底光りするロマンティックな精神がある。

遅ればせながら、ツェートマイヤーのCDを購入してみよう。

車で武蔵野市民文化会館に行ったが、帰りには台風のために大雨になっていた。今、外は暴風雨になりつつある。

 

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コメント

この映像を先日NHKで見た。
息子が一流のプロに習い学生音楽コンクールでパガニーニの1曲を弾いたので、カプリースは何人ものCDを聞き、何人もの生徒の演奏を聞いて熟知している。
ツェートマイヤーはYoutubeなどで知っていたので、特に印象もないが悪い印象もないので録画したのだ。

一聴して耳を疑うほど明らかにすさまじく技術的に劣悪で音楽的に興味をそそる要素も何もなかった。日本を舐めているのだろうか。
弾き終わると同時にブラボーまで飛び出す低レベルの聴衆にもあきれた。
学生音楽コンクールの中学の予選さえ通らないレベルを聞き分けられない、バカな聴衆。

どんな評判なのだろう、と検索したら、この記事がヒットした。

樋口裕一の評論などもともと興味をもったこともなかったが、これほど低レベルとは知らなかった。もっともらしくこれほど無内容な美文をよく書くものだ。

投稿: | 2017年3月 4日 (土) 07時32分

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