ベン・ガーノンの指揮にやや失望
2014年12月21日、サントリーホールで、新日本フィルの第九特別演奏会を聴いた。第九の前にブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」。
指揮はベン・ガーノン。2011年に大学を卒業したばかりのごく若い指揮者。私はどこかでベン・ガーノンが将来有望な指揮者だと読んで、あわててこのチケットを入手したのだった。大いに期待して出かけたが、実はちょっと期待外れだった。
もちろん悪い指揮ではないと思う。ブラームスについては、統一感があり、しっかりとメリハリをつけ、スケールの大きな演奏だと思った。その時点では、後半の第九に大いに期待した。
だが、第九は荷が重すぎる。自分なりの解釈を示すに至っていないようだ。切り込んでいくところはあまり感じない。予定調和的で微温的な演奏。特に聞きどころなく、きわめてオーソドックスに当たり前の演奏をしただけで終わってしまった感がある。とりわけ第三楽章は、私には何をしたいのかわからなかった。新日フィルはとてもきれいなのだが、私には少しも迫ってこなかった。
第四楽章はさすがに盛り上がった。将来有望な指揮者であることは間違いないと思う。歌手は、秦茂子(ソプラノ)、小林真理(アルト)、吉田浩之(テノール)、多田羅迪夫(バリトン)。それぞれの歌手は健闘していると思ったが、四人の歌手たちの声のアンサンブルが不揃いに感じた。席のせいかもしれないが、やはり指揮に責任がありそう。栗山文昭合唱指揮による栗友会合唱団は素晴らしかった。
この指揮者については、もう少ししてまた聴きたいと思った。
今週は15日に大分県日田市の高齢の両親のもとを訪れていた。16日に東京に戻ったが、空港で食べたとんこつラーメンが胃に負担になったようで、飛行機に乗っているうちから吐き気と便意に苦しみ始めた。飛行機の揺れも大きいため、ますます気分が悪くなったが、シートベルト着用のサインが出ているので、トイレにも立てずに往生した。17日は大学の仕事を休んだ。19日になってやっと全快した。
60歳を過ぎるととんこつラーメンはきつい。これまでも、何度もとんこつラーメンを食べた後、胃の不具合を起こしているのだが、九州生まれの私にしてみれば、とんこつ以外のラーメンは考えられない。性懲りもなく食べてしまう。今日も、コンサートの前に軽く食事をしようと考えて、とんこつラーメンの店がサントリーホール付近にできているのを見つけて、危うく入りそうになった。が、さすがに胃を壊したばかりだったので、我慢した。
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コメント
先生おはようございます。
音楽のことではないのですが、ラーメンの話に目が止まりましたので・・・。
私も先日、法事で久留米に帰って三日で三食、とんこつラーメンを「食いだめ」してきました。
関東圏にもあるにはあるのですが、すべからくやはり食は現地にかぎります。
私は世界中(ちょっとオーバー)で所謂ラーメン・中華麺を食べましたがとんこつラーメン、中でも久留米ラーメンは世界一です。
来年は1月8日のミハイロフスキーバレエ「海賊」からです。妻に毒されてバレエ先行です。
よいお年をおむかえください。豊島
投稿: 豊島健次 | 2014年12月29日 (月) 10時26分
豊島健次 様
コメント、ありがとうございます。
私は大分県日田市で育ちました。日田は久留米からすぐのところにあり、私が大好きだった来々軒の主人は、のちに知ったところによると、久留米で修業してきたとのことでした。ですから、私はずっと久留米系のラーメンを食べていたことになります。もちろん、私は世界一のラーメンは昭和30年代の日田のラーメン、すなわち久留米ラーメンだと思っています。
投稿: 樋口裕一 | 2014年12月30日 (火) 23時16分