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ヤルヴィ+カンマーフィル 興奮しつつも、「ちょっとやりすぎかな?」とも思った

 20141210日、オペラシティ コンサートホールで、パーヴォ・ヤルヴィ指揮、ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団によるブラームス・シンフォニック・クロノロジーの初日を聴いた。曲目は前半に、ラルス・フォークトのピアノが加わってピアノ協奏曲第1番、後半に交響曲第1番。

 前半のピアノ協奏曲は、絶望的といえるような激しい暗い音で重々しく始まった。スケールの大きな演奏。ピアノのフォークトの名前は今回初めて知った。激しく流動しながらもヴィヴィッドで、しかもかなり繊細。ただ、ヤルヴィのあまりに劇的な展開に少し負けていそうな部分があった。とはいえ、素晴らしいピアノスト。アンコールのブラームスのあの有名なワルツは、あまりの音の美しさの呆然とした。

 ヤルヴィの指揮はまさしく波乱万丈、疾風怒濤。スリリングにしてドラマティック。激しいところはあまりに激しく、静かなところはとことん静か。激しく流動し、うねり、大きな起伏を描き、爆発し、絶望をたたきつけ、時に喜びにあふれる。ピアノ協奏曲では少し遠慮していたようだが、交響曲では全開。凄まじい。ドイツカンマーフィルもヤルヴィの音楽を完璧に再現。

 交響曲はかなりはやめのテンポで、激しく畳みかけていく。まさしく疾風怒濤。しかし、無意味に大げさなわけではない。統一は取れているし、それぞれに意味がありそう。

第一楽章の弦による下降する音形(音楽の素人なので、どう表現すればよいのかわからない)をリタルダンドして強調して官能的といえるほどの表現をする。おそらく、この強調は第四楽章のあの有名なホルンのテーマの後と関連付けられている。第一楽章と第四楽章が連関性を持ち、一つの物語を築いていると私には思えた。

単に快速で飛ばすだけでなく、あちこちに仕掛けがあり、工夫があるのが良くわかる。だからこそ説得力を持つ。それはそれで素晴らしい。何度も魂が震え、興奮し、涙を流しそうになった。が、そうでありながら、ちょっと冷ややかな自分がいるのも間違いない。

いくら何でも、こんなに強調しなくてもいいじゃないか。ちょっとやりすぎではないか。楽譜にそのような指示はないのでは? というような疑問が頭をかすめる。

とはいえ、やはりすごい。いくら奇をてらっても、いくら大げさにやろうとしても、ここまで激しく、しかも説得力を持たせながら演奏するのはだれにでもできることではない。すさまじい才能だと思った。

アンコールは、「ハンガリー舞曲」から2曲。これも見事。かなり即興的に指揮していると思うが、オケが完璧についてきている。得意の曲かもしれないが、それにしても見事。

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