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2014年ベートーヴェンは凄い!の凄まじい第九で2015年になった

 年が明けて2015年になった。昨年はいくつものうれしいことがあり、いくつもの大変なことがあった。今年はどうなるのか予断を許さない面があるが、昨年よりもよい年になることを祈る。

 昨日(20141231日大晦日)、例年通り、東京文化会館で「ベートーヴェンは凄い! 全交響曲連続演奏会」を聴いた。私にとって2014年の104回目のコンサート(ラ・フォル・ジュルネを含む。途中退場は含まず)。この忙しい仕事の合間によくぞコンサート通いしたものだ。指揮は小林研一郎。オーケストラは篠崎史紀をコンサートマスターとする岩城宏之メモリアル・オーケストラ。

 初めは力をセーブ気味。交響曲の第1・2番はいつもの「コバケン」の熱気がない。数年前、のっけからものすごい熱気だったのに驚いた記憶があるが、今回はそんなことはなかった。マエストロもお歳のせいで、先のことをセーブすることを考えるようになったということだろう。が、第2番の終楽章あたりから気合がこもり始めた。

 奇数番号の交響曲はいずれも凄まじかった。とりわけ第5、7、9は、まさしく白熱の演奏。疾風怒濤にして、速く激しくドラマティック。しかも一つ一つの音に気合がこもり、全身全霊で演奏。マエストロのとてつもない気合がメンバー全員に乗り移ったかのよう。

 オーケストラは、日本のプロのオケからの選抜メンバーとあって、まさに超日本レベル。世界の一流オーケストラにまったく引けを取らない。あの激しい指揮に少しもたじろぐことなく、最高に美しい音で指揮者の音楽を音にしていく。日本の常設オケに比べて、管楽器は実に美しい。ティンパニもいいし、弦楽器ももちろん素晴らしい。

 前回聴いたときにも感じたのだが、「コバケン・スタイル」に変化が生まれているのではないだろうか。かつてのように気合をもめて浪花節的に音楽に没入して白熱の音楽に耽溺するのではない。きわめて構築的で知的な要素が強い。音楽に耽溺するのではなく、もう少し距離を置いて論理的に音楽をとらえているのを感じる。「田園」など、構築性の弱いこの曲に構築的な要素を加えようとしているのを強く感じた。第一楽章と第二楽章を、スケールを小さくし、できるだけ柔らかい音で始めたのもその工夫の一つだろう。

 考えようによっては、かつての白熱のコバケンの要素が少し薄れることになるが、しかし、いまなおマエストロは進化しているということだと思う。

 それにしても、第九の第四楽章の最後の5分間に関しては、小林研一郎はフルトヴェングラーやテンシュテットをも凌駕する祝祭性、ディオニュソス性だと思う。涙が出てきた。

 第九の独唱陣も素晴らしかった。ソプラノは森麻季。清澄ですっきりと伸びる最高に美しい声。アルトは山下牧子。これも安定した美声。森さんと山下さんは、私の大好きな歌手だ。2014年と2015年をまたいで、この二人の歌を聴けたのは実にうれしい。テノールの錦織健、バリトンの青戸知ともにしっかりと声が伸びていい。青戸さんは宗教曲の歌い方を、おそらく意識的に排してオペラ風に歌う。この曲はそれがふさわしいのかもしれない。

 とまあれ、2014年も圧倒的に素晴らしいコバケンの第九で一年が終わった。この幸せな気持ちが2015年も続いてほしい。続くように努力したい。

●今年の目標・・・コンサートに行く回数を減らす! 音楽を聴きすぎて、時間が作れず仕事に支障が出ている。今年こそはコンサート回数を減らして、仕事に力を入れたい!

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