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残念だったことなど

321日、多摩大学の卒業式が行われた。私のゼミ生の卒業者は5名。全員がしっかり勉強し、ゼミ活動に大いに貢献した、とは言い難いが、ともあれ輝くところを持ち、しっかりとした大人として社会に送り出して少しも恥じることのない卒業生たちだ。私の指導のおかげでも何でもないが、大学の4年間(5年間の者もいる)でこれほど成長できたのは、私としてはとてもうれしい。きっと自分の人生を自分で切り開いていってくれるだろう。私はこのゼミ生たちの指導者だったことを誇りに思う。

 めでたい卒業式だったが、そのほかのことで、私の心の中では残念なことがあった。そのいくつかをまとめて書くことにする。

 

・桂米朝が亡くなった。大好きな噺家だった。テレビでも楽しんでみていた。CDやDVDも何枚も持っている。小さん、志ん朝と並んで私の考える昭和の三大巨匠だった。にじみ出る余裕のあるおかしみ、そして気品と教養。大学の私のゼミで寄席を企画しようとしているとき、何度か米朝の映像を見せて、その素晴らしさを説明した。

ところが、残念ながら、私は米朝の高座を見ていない。私は1970年代から80年代にかけて、新宿の末広亭を始め、いくつかの寄席やホール寄席に通っており、小さん、志ん朝、円生、三平、談志、小三治などの実演を見ている。が、米朝は見たことがなかった。見ておきたかった。残念。・・・合掌。

 

317日には、東京工業大学のリベラツアーツ研究教育院主催での講演会で話をした。とても気持ち良く話すことができた。その後の先生方との懇親会にも参加。有意義だった。

 その日、残念なことがあった。といっても講演会の中でのことではない。

少し早めに大岡山の駅に着いて軽く昼食をとろうとした。駅前にラーメン店があまりに多いのにびっくり。その中の一つに「とんこつ」をみつけた。九州出身で、「ラーメン=とんこつ」と思っている人間にはこれしかない。

食券で注文してしばらく待ったが、なかなか出てこなかった。待つこと自体は構わないのだが、店内に大音響でロック系の音楽がかかっている。これには我慢ならなかった。ラップ系の歌になって我慢できずに外に出た。780円を無駄にしたが、好きでもない音楽を大音響で聴かされるくらいなら、そのくらいの痛みは喜んで支払う。

その後、別のラーメン屋に入った。そこにも音楽がかかっていたが、前に入ったラーメン屋よりも音量が小さかった。これくらいならぎりぎり許容できる。

中島義道さんではないけれど、騒音が多く、音に無神経な日本社会に怒りたくなる!!

 

319日には福岡に宿泊して、20日の朝、ゆふいんの森号で両親の住んでいた大分県日田市(私の故郷でもある)に向かった。席はすべて売り切れているというアナウンス。4両の列車が本当に満員だった。そのほとんどが観光客で、韓国人、中国人と思われる人もかなりいる。

車掌さんのアナウンスに「ゆふ高原線」という言葉が聞こえた。「鹿児島本線、久大線、ゆふ高原線を通って由布院に参ります」といっている。

大分県で育った私も、「ゆふ高原線」というのを聞いたことがない。私の知らない間に新しい線ができたのだろうかと思ってスマホで調べてみると、「ゆふ高原線」というのは久大線(久留米と大分を結ぶJRで、もちろん私はこの名称に子どものころから馴染んできた)の愛称らしい。その後のアナウンスでしばしば、「久大線」という言葉が使われずに、「ゆふ高原線」とだけ言われていることがある。

 きっとそのうち、久大線がなくなって「ゆふ高原線」に名称が変更されそう・・・。これは、日田出身者にはあまりうれしいことではない。

由布院はブランド化に成功しみるみる日本を代表する観光地になった。由布院よりも歴史が古く、かつては地方都市としても観光地としても「格」が上だった日田は取り残されている。日田出身者としては少々残念。

なお、私の乗ったゆふいんの森号は、人身事故で50分ほど遅れて日田に到着。日田駅では私を含めて二人が降りた。「ゆふ高原線」という名称も残念だったし、遅延も残念だったが、満員の列車の中で降りたのが二人だけだったのも残念だった。

 

・録画していたテレビドラマ「相棒」シーズン13の最終回「ダークナイト」をみた。私の見るほとんど唯一の連続テレビドラマだ。ただ、このところ、あまりおもしろくない。無理のある設定やストーリー、キャラクターに合わないセリフなどが続出。ほぼ毎回、がっかりしながら見ている。だが、最終回ということで、今回は少し期待していた。

ところが、これはあまりにひどい。前代未聞のひどさではないかと思った。これまでのキャラクター設定とまったく合致しないし、これまで今回の展開になる伏線もなかった。しかも、カイトが、右京さんと相棒を組んでいるのに新たにダークナイトとしての犯罪を起こす必然性がまったくない。矛盾だらけであまりに突飛な展開。最後に、この無理なストーリーを正当化しようと犯罪について考えさせたり、同情をかきたてたりするセリフが続くが、それもとってつけたようでまったく説得力がない。無理に無理が重なっていく。一体、制作側に何が起こったのかと怪しみたくなるほどの出来栄え。

番組の冒頭部分でカイトの顔が出て真相が暗示されるが、まさかそんな安易な展開のはずがないと思ってみていたら、安易という以上に突飛な展開だった。

次のシーズンはこのようなことのないことを望みたい。

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コメント

米朝師匠は枝雀師匠が無くなったため独演会をあまり開けなくなったのが残念でした。本当は小三治師匠との二人会に行くはずだったのに所用で行けなかったので私もついに米朝師匠は聞けませんでした。あれは今でも心残りです。

相棒はもうどうしようもないですね。あれって「バルジファル」の大詰めの場面でいきなりバルジファルがアンフォルタスを刺殺。それをみたグルネマンツがバルジファルに「おまえが正真正銘のクリングゾルか。」というようなものです。そんなことバイロイトでやったら劇場に灰神楽が立ってしまいます。それくらい酷かったです。

次の相棒も噂では神戸さんが戻ってくるという噂もあるとかで、なんかいろいろです。

投稿: かきのたね | 2015年3月26日 (木) 01時04分

かきのたね様
コメントありがとうございます。
米朝のDVD全集がほしくなりました。それにしても、せめて一度は実演に接したかったですね。
「相棒」につきましては、「パルジファルが実はクリングゾルだった」という以上の飛躍だと思います。クリングゾルでしたら、ともあれ第二幕に登場しているわけですから。第三幕の最後、グルネマンツがオルトルートに家族を人質にとられてやむを得ずパルジファルを裏切る・・・という展開になったかのような印象を私は受けます。
誰もが知る探偵である主人公が実は犯人だったというパターンはエラリ・クイーンもアガサ・クリスティも書いているわけですが、やはりよほどうまくやらないと難しいですね。「相棒」については、本当に覚悟を決めてこのパターンを使ったわけではなく、安易にやってしまったように思います。

投稿: 樋口裕一 | 2015年3月27日 (金) 00時44分

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