ヘンヒェン+新日本フィルのモーツァルトは私の好みのモーツァルトではなかった
2015年3月15日、サントリーホールで新日本フィルハーモニー定期演奏会を聴いた。指揮はハルトムート・ヘンヒェン。曲目は、前半にモーツァルトの交響曲39・40番、後半に41番。
ヘンヒェンは実演を聞くのは初めて。これまでワーグナーのDVDなどを見てとても興味を惹かれていた。モーツァルトの3つの交響曲をこの人の指揮で聴いてみたいと思ったのだった。
とてもロマンティックな解釈だと思う。編成も大きく、ダイナミックレンジを大きくとってドラマティックに起伏を作っていく。ときおりタメを作り、フレーズが揺れ動き、強弱が細かく変化する。しなやかな音。柔らかみがあって、時折ワクワクした雰囲気が充満する。39番と40番の第3楽章のフレージングのとり方が独特で、とてもおもしろかった。
新日フィルもとてもしっかりと指揮についていた。木管楽器がとてもきれい。
ただ、私としては、とてもおもしろい演奏だとは思いながら、あまり感動はできなかった。モーツァルトをこのように演奏すると、せっかくの躍動感やひたひたと押し寄せる哀しみのようなものが失われる気がする。ちょっといじりすぎているように思う。私は、モーツァルトの関してはもう少し直截的な演奏のほうが好きだ。とりわけ、それぞれの交響曲の第2楽章の美しさをあまり感じなかった。個人的な趣味の問題に過ぎないとは思うが。
とはいえ、「ジュピター」の第4楽章はさすがに盛り上がった。重層的で、音と音が絡み合い、高揚していく。並みの指揮者ではないことは間違いないと思う。
別の作曲家の曲を聴いてみたいと思った。
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