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ユリアナ・アレクシュクのコロラトゥーラに少し不満

 2015420日、武蔵野市民文化会館でユリアナ・アレクシュクのソプラノ・リサイタルを聴いた。

 まったく未知のソプラノ歌手だが、かなり若くて、かなりきれい。清楚な感じでとても雰囲気がいい。ピアノ伴奏は斎藤雅広。とても明確でありながらもでしゃばらない伴奏。

 前半はグノー「ロミオとジュリエット」(グノー)や「リゴレット」「セヴィリアの理髪師」「ラ・ボエーム」「夢遊病の女」「ミニョン」などからのおなじみのコロラトゥーラの有名アリア集。後半は、ウクライナの作曲家によるオペラ・アリアや歌曲。マイボロダ「イオランのアリア」(歌劇「ミラナ」)、ヤシチェンコ「どこへ行くの?」、ステポーヴィ「谷底の小径を踏みすすむ」、ヤシチェンコ「空飛ぶガチョウよ」、ステテュン「刺繍」、レヴュツキー「川のそばで洗濯を」、ジェルビン「さまよう私の魂」、コス=アナトルスキー「2つの流れ」。

 大喝采だった。が、席のせいかもしれないが、実は私はあまり感銘を受けなかった。

 少なくとも私の席からは、発音が不明瞭に思えた。私に少しだけ聴き分けることのできるフランス語も、まったく聴きとれなかった。それどころか、子音のほとんどがよく聞こえなかった。迫力あるコロラトゥーラで、美しい声なのだが、場内に響きすぎて、音像が明確にならず、ぼやけた感じがした。そして、歌い回しも少し一本調子な感じがした。

繰り返すが、席のせいかもしれない。だから断定的に言うつもりはない。が、ともかく私は音楽に乗れなかった。途中で席を移りたいと思った。もしかしたら、ほかの席からはもっと明瞭に聞こえるのかもしれないと思った。が、きっとそれはルール違反だろう。

ウクライナの作曲家たちは、いずれも曲想が似ている気がした。人生の嘆きが漏れるタイプの音楽が多い。ただこれも、アレクシュクの歌い方が同じ雰囲気であるせいではないかと思ったのだった。

だが、ともあれこのような若い有望な歌手の、しかも未知の作曲家の曲を聴けるのは実にうれしい。次にまた機会があったら、この歌手を聴いてみたい。

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