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藤岡幸夫+日フィル グノー「聖チェチリア祝日のためのミサ・ソレムニス」

 2015921日、東京芸術劇場で藤岡幸夫指揮、日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートを聴いた。前半に、ソヌ・イェゴンのピアノが加わって、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、後半はグノーの「聖チェチリア祝日のためのミサ・ソレムニス」。

実をいうと目的はグノーのほうで、前半は私にとっては「おまけ」のようなもの。ラフマニノフはロマン主義の極致だという人がいるが、どうも私はよくわからない。もともとあまりピアノ曲は聴かないし、俗っぽいメロディが超絶技巧のピアノとともにとりとめなく演奏される感じがしてなじめない。今日の演奏も私のラフマニノフ不感症を治癒させるには至らなかった。少々退屈した。ソヌ・イェゴンは1989年生まれの韓国出身のピアニスト。とてもきれいで張りのある音だと思ったが、私の好きな曲を演奏してくれないことには、ピアノ演奏についてどうこう言えない。

グノーも大好きな作曲家というわけではない。ただ、昨年のラ・フォル・ジュルネで「レクイエム」を聴いて、あまりに美しいメロディに圧倒された。それ以来、オペラや宗教曲をCDDVDで触れてきた。とても魅力ある作曲家だと思う。そんなわけで、ぜひとも宗教曲の実演を聴きたいと思っていたところ、このコンサートを知ったのだった。

期待していた通りの、とてもきれいな曲だった。CDで数回聴いたことがあったが、改めて美しさを感じた。美しいメロディが現れる。時としてドラマティックに盛り上がるが、全体的には穏やかで深く心に染み入るような曲。ただ、ほぼ同時代のワーグナーやブラームスのように聴き手を引き込むかというと、やはりそれほどの魔力はない。深く感動するとまではいかなかった。

オーケストラ、合唱ともにとてもきれいにまとまり、美しい音を堪能した。半田美和子のソプラノ、鈴木准のテノール、浅井隆仁のバリトン(日本フィルハーモニー協会合唱団の指揮も兼ねていたらしい)が加わる。半田は宗教曲にふさわしい澄んだ美しい声。浅井のバリトンも音程がしっかりした美声。とても良い演奏だったと思う。

もう少しグノーの曲を聴いてみたい。ワーグナーやブラームスとはだいぶ差があるが、とても魅力ある作曲家・・・というのが本音だ。

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コメント

音楽生活、お変わりないようで なによりです。小生も26日に 同じ藤岡さん指揮の関西フィルを 本当に久しぶりに聞いてまいりました。ホールは ザ・シンフォニーホール大阪です。ベートーベンの7番とサンサーンス3番という 名曲コンサートでした。うーん ちょっと驚きました。彼らを聞いたのは4年ぶりぐらいだったのですが、驚くほど充実した演奏でした。小生が言うのも烏滸がましいのですが、藤岡さん 一皮むけたな と感じました。これから 注目していこうと考えてます。また 新日本フィルの監督就任が決まっている上岡敏之さんが 新日フィルと大阪で3月にマーラーをやることが決まり、注目しております。そして、1月のムーティ指揮シカゴ響の東京文化会館のマーラー、思い切って購入しました。地方からだと、かなりきついですが、楽しみではあります。東京の香りがする先生の感想、楽しみにしております。

投稿: ヨーチン | 2015年9月30日 (水) 18時29分

ヨーチン様
コメント、ありがとうございます。
よく知った曲ではなかったので、演奏についてはあまり言えなかったのですが、藤岡さんは素晴らしい指揮者だと思います。ぜひまた聴きたいものです。サンサーンス、きっとおもしろかったでしょうね。
このブログにも何度か書きましたが、私は大のマーラー嫌いです。マーラーの音楽は私にとって拷問のようなものです。30代のころまでは、録音などを聴こうとして来たのですが、どうしてもふつふつとわいてくる不快感を食い止めることができず、それ以降、できるだけマーラーの音楽が耳に入らないように気をつけています。そばアレルギーの人がそばが口に入らないように気をつけるように。必要があって聞かざるを得ない時には、決死の覚悟で臨みます。
私の大嫌いな作曲家を愛している人が大勢おられるということこそが、音楽の深さであり、音楽を聴く楽しみだと思っていますが、私のマーラー嫌いはどうにもなりません。
そのようなわけで、マーラーのコンサートには行く予定はありません。どうかご理解のほどをお願いします。

投稿: 樋口裕一 | 2015年10月 1日 (木) 08時16分

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