東京二期会「ウィーン気質」 歌詞が聞き取れずにストレスを感じた
2015年11月23日、日生劇場で東京二期会公演「ウィーン気質」をみた。
ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスのオペラを中心に見ているので意外に思われるが、私はヨハン・シュトラウスが大好き。「ウィーン気質」はこれまでみたことがなかったので、喜んで出かけた。
音楽自体はとても楽しい。ヨハン・シュトラウスの名曲をメドレーにして歌詞をつけてオペレッタに仕立て上げたものだが、とてもよくできている。阪哲朗の指揮と東フィルはきびきびとしてしなりのある音楽を作り上げている。伯爵夫人の澤畑恵美はとても美しい声。貴族の気品を見せてくれた。カーグラーの鹿野由之は張りのある声。
ただ、一番の問題は言葉が聞き取れないこと。日本語の訳詞なのだが、日本語だと気づくのにしばらくかかった。レチタティーヴォ風のところを除く「歌」の部分は、私はほとんど聞き取れなかった。日本語で歌われているのに言葉が聞き取れないと、大きなストレスを覚える。かなりいらだった。
歌手の発声に問題があるわけではなさそう。日本語の訳語が音楽に合わないために聞き取れないのではないかと思った。そして、オーケストラの音量が大きすぎたのかもしれない。せめて字幕をつけてほしい。
笑いを求める荻田浩一の演出にも私は問題を感じた。学芸会風というといいすぎだが、私は、テレビでときどき見かける、笑わせようとあれこれと仕掛けはするがまったく笑いの起こらないコントを思い出した。笑っている人がいたが、少なくとも私は全体を通じてクスリともしなかった。結局、残念ながら私はオペレッタを楽しむことができなかった。むしろ、日本語を聞き取れないためのストレスがたまり、苦行をこなしている気分になった。
東京二期会はほとんど毎回、素晴らしい公演を見せてくれる。ただ、今回ばかりは私は不満に思ったのだった。日本人がヨーロッパのユーモアあふれるオペレッタを面白く上演するのは実に難しいことを改めて痛感した。
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