多摩大・樋口ゼミ主催 松尾俊介ギター・リサイタル 大成功
2015年11月7日、九段にある寺島文庫Caféみねるばの森にて、多摩大・樋口ゼミ主催 松尾俊介ギター・リサイタルを開いた。素晴らしい演奏だった。
私のゼミは、多摩地区をはじめとする日本全国にクラシック音楽を広める活動を行っている。今回は、これまで何度も協力願った日本を代表するギタリストの松尾さんに演奏していただいた。ゼミ生の努力もあって、カフェ内は満席になった。
曲目は、前半にバッハのリュート組曲第2番と「シャコンヌ」(もちろん、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番のギター編曲)。シャコンヌは凄まじかった。ヴァイオリンと違って、多くの音が重なり合うため、独特の深みが出る。
私はこの曲を聴くと、最近なぜか心の奥底で敬虔な気持ちになり、深い悲しみや喜びが入り混じって、涙が込み上げる。今回もそうなった。そして、どういうわけか亡き父を思い出していた。そういえば、父はほんの一時期だったが、ギターをいじっていた。
後半はディアンスの名曲が中心。サウダージ第2番・第3番、「トリアエラ」が聴けた。素晴らしい。ディアンスは存命中のギタリストにして作曲家なのだが、現代曲の難解さはなく、様々なテクニックを要し、しかも抒情的で華麗。また、久しぶりにギターの名曲、タレガ作曲の「アルハンブラの思い出」やシャンソンの名曲「愛の賛歌」も聴けた。そして、最後はディアンスの有名な「タンゴ・アン・スカイ」。これまた絶品。松尾さんのギターに酔った。
松尾さんのテクニックはあまりに華麗。すべての指が絶え間なく動くだけでも圧倒されるのに、洗練され、香り豊か。関西訛の少々おちゃらけたトークが入るのでつい油断してしまうが、実は松尾さんの音楽は、テクニックを見せつけるのでなく、繊細で美しく、しかも高貴な雰囲気がある。そこがたまらない。
リサイタルの運営には問題がないでもなかった。が、様々な面で制約のあるカフェでのリサイタルであり、学生主体の活動ということで、参加いただいた方にはご容赦願いたい。
私には、いつもは頼りないゼミ生たちがとても頼もしく見えた。リサイタルの後、学生たちと中華料理の店で打ち上げをした。
父が亡くなってから最初のコンサートだった。これまで、自宅でもCDやDVDで音楽を聴く気になれなかった。
91歳だったとはいえ、やはり父をなくすと、身体の奥のほうに「悲しみ」というのか「喪失感」というのか「後ろめたさ」というのか、なんとも呼べない塊を感じ、それがいつまでも溶解しない。ふだんはそれを忘れているが、時としてその塊が存在感を増して、つい泣きたくなってくる。肉親をなくすというのはこういうことなのだろう。
父の死以降コンサート・チケットを二枚ほど無駄にしたが、そろそろ気を取り直して、コンサートに出かけようと思っている。
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