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拙著「読んだつもりで終わらせない名著の読書術」刊行

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 10日ほど前、拙著「読んだつもりで終わらせない名著の読書術」(KADOKAWA)が発売になった(その後、様々な家庭の事情などもあって、このブログに報告するのが遅れた)。

 名著、とりわけ文学作品を読みたいと思いながらなかなか手に取れずにいる人に向けて、古典作品の読み方を紹介して、もっと古典に親しんでいただくように勧める本だ。

 本書の第一部では、どのように名著に向かえばよいのか、どのように味わえばよいのかを文学の初心者向けに説明している。

 もちろん、名著の正しい読み方などない。人それぞれの読み方、味わい方がある。いいかえれば、それぞれの人が自分の思いを仮託しながら読むことのできる書物こそが名著だといえるだろう。だからから必然的にすぐれた文学作品はわかりにくい。様々な解釈が可能であるがゆえに、エンターテインメントのようにわかりやすく書かれていない。そのために、多くの人が古典の名著に少し触れて、「わからない」「つまらない」と思ってしまう。そうした状況を少しでも変えたいと思って、この本を企画したのだった。

 まずは、様々な読みがあるのだから正解探しをするべきではないこと、しかし、そうはいっても文学作品を読む場合には目の付け所があること、そして何よりも、繰り返し読み返したりすることによってだんだんと理解が深まってくることを実例を挙げながら紹介している。

 第二部では、第一部で紹介した方法を取りながら、具体的に太宰治「人間失格」、夏目漱石「こころ」、カフカ「変身」、ドストエフスキー「罪と罰」、パスカル「パンセ」を題材に私なりの読み方、私なりの解釈を紹介している。

ここに取り上げたのは、日本文学とドイツ文学、ロシア文学、そしてフランス思想関係の書物だ。私のもともとの専門は20世紀フランス小説と、現代アフリカ小説なので、本書で取り上げたのはいずれも専門外のものばかり。専門家ではない私が自分なりの読みを紹介するのは少々おこがましくはないかという思いもあったが、専門家ではないがゆえに自由な読みができるのではないかと考えて、あえて以前から親しんできたこれらの作品を選んだのだった。専門家ではないがゆえの弱点もあるかと思うが、逆に強みもあると信じたい。

多くの人に本書を読んでいただけるとうれしい。そして、私の読みを参考にして、自分なりにもっと深い読みを見つけ出していただきたい。

 少し私の近況を記す。

 今年は、6月に義父、10月に実父、12月に我が家の飼い犬が亡くなった。そして、12月18日には、大分県杵築市で暮らしていた叔母が89歳で息を引き取ったとの知らせが入った。幼かったころ、しばらくの間同じ家で暮らした叔母だった。急な葬儀が大学のAO入試と重なったので私は出席できなかった。合掌。

 大学の授業が終わり、あれこれの雑用が終わって、やっと一昨日から新しい本の原稿の執筆を再開。8月に両親の状況の悪化のためにそれまでの施設にいられなくなってから執筆はまったく捗らなくなり、10月に父が亡くなってからはぴたりと止まっていた。私には兄弟がいないので、ふだんはかなり気楽に生きていけるのだが、親の面倒、親の死、その後の様々な儀式や手続きとなると、すべて私と妻にかかってきて、どうにも動きが取れない。締め切りを過ぎた原稿。事情が事情だけに編集者も理解してくれてはいるが、責任を感じる。正月明けまでには何とか完成させないと!

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