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オルミ監督の「緑はよみがえる」、IBM管弦楽団、京都観光のことなど

岩波ホールでエルマンノ・オルミ監督の「緑はよみがえる」をみた。 

 昔、「木靴の木」を見て感動した。これまで見たすべての映画の中でベスト20に入る映画だった。オルミ監督の映画はほかに「ポー川の光」を見ている。それもなかなかいい映画だった。だが、「緑はよみがえる」については、期待が大きすぎたせいか、それほどの感動は覚えなかった。

第一次大戦中、オーストリアとの戦いで雪に囲まれ、風邪やインフルエンザに襲われながら、塹壕の中での理不尽な戦いを強いられるイタリア軍の兵士たちの物語。大きな英雄譚があるわけでもなく、何かのミッション達成が描かれるわけでもなく、ただ兵士たちの苦難の日々と、多くの兵士の死が描かれる。

 私は実はほとんど人物を識別できなかった。もちろんカラー映画だが、意識的にモノクロに近い色遣いがなされている。みんなが軍服を着ており、みんなが厳寒の中で体中を衣服で覆っているうえ、塹壕の中なので薄暗い。未知の俳優たちを見分けるのはかなり難しい。が、これは群集劇なので、きちんと識別しなくても映画を理解するのにそれほどの問題はないといえるかもしれない。

 私が感じたのは、監督の慈愛の視線だ。兵士たちは理不尽に命令されて殺し合い、理不尽に苦しみ、理不尽に故郷や自然が破壊されていく。弱い人間たちが必死に尊厳を守り、なんとか生き抜こうとする。そして、苦難から生き残ったものがまた新たな歴史を作っていく。そのような人間の悲劇と宿命を淡々と、しかも哀切と愛情を込めて描いている。「木靴の木」とは比べようもないが、これはこれでとても良い映画だと思った。

 ところで、疑問に思ったことがある。

 1980年代前半だったと思う。イタリア映画祭か何かで今回と似た雰囲気の映画を見た。男たちがスイスの奥地で雪に囲まれて過ごす物語だった。「木靴の木」に感動した後、同じオルミ監督がずっと以前に撮った映画だということで見にいった記憶がある。モノクロの静謐な映画だった。ところが、それらしい題名がオルミ監督の作品リストにないような気がする。今回購入したプログラムにも、それらしい映画の記述がない。私の記憶違いなのだろうか・・・。

 ところで、ここ数日の出来事を書いておく。

 2016522日、文京シビックホールで日本IBM管弦楽団第27回定期演奏会を聴いた。日本IBMの関係者で作るアマチュア・オーケストラだ(ただし、賛助メンバーもかなり含まれているとのこと)。日本IBM出身の先輩に誘われた。指揮は松尾葉子。曲目はシャブリエの狂詩曲「スペイン」、ビゼーの「アルルの女」第2組曲、ムソルグスキー作曲・ラヴェル編曲の「展覧会の絵」。アマチュア・オケながらフランス的な軽やかで澄んだ響きを出しているのでびっくり。もちろん、しばしば音が濁るが、なかなか見事だった。

 524日、仕事で京都に赴き、京都産業大学付属中学校で小論文研修を行った。大変実りの多い研修だったが、15時までに仕事が終わったので、少し観光をして、おいしい京料理を食べてから東京に戻ろうと思った。

駅にカバン(私は研修の講師なのでそれなりに重い荷物を持っている)を置いて観光しようとしたところ、サミットのために京都は厳戒態勢でJRのすべてのコインロッカーが使用禁止になっていた。30度を超す暑さの中、あちこち探したが、JR以外のコインロッカーはすべて使用中。諦めて、カバンを持ったまま国立京都博物館にタクシーで行った。博物館ならカバンを預けて見学できると思った。ところが、なんと京都博物館もテロを警戒して展示物は見られない状態だった。そのままタクシーで駅に引き返した。きっとどこに行っても同じ状況だろうと考えて新幹線で東京に戻った。徒労だった!

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