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戸田弥生&野原みどりデュオ・リサイタル 凄まじい名演奏だった!

2016520日、代々木上原のMUSICASAで多摩大学樋口ゼミ主催の戸田弥生&野原みどりデュオ・リサイタルを開いた。大成功だった。狭いホールながらほぼ満員。

このコンサートは、私のゼミで企画・運営したものだが、本日の運営はすべて学生に任せて、私は音楽を聴くことに専念した。私は主催者として以上に、一人の客として、まだ興奮している。すさまじい演奏だった。

 前半、ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」(ヴァイオリン+ピアノ版)、次にラヴェル「ツィガーヌ」。まずこの「ツィガーヌ」が素晴らしかった。戸田さんの重くて、弦にガツンと当たるような強い音。美しい音ではない。人の心をぐいっと掴む。それに対して、野原さんのいかにもラヴェルらしい高貴でしゃれた音。しなやかで透明。その二つの音がぶつかり合う。ぶつかり合いながら、一つの音楽を作っていく。すごい! 狭いホールであるがゆえに演奏者の生の音楽を目の前で味わうことができた。

 野原さんのソロも実に素晴らしい。美しく高雅。だが、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」からの10の小品は戸田さんの影響受けてか、野原さんにしてはかなり強い音。しかし、本当に音楽美にあふれている。

後半のショスタコーヴィチのヴァイオリン・ソナタはもっとすごかった。戸田さんの凄まじい集中力。それに対抗する野原さんのしなやかで豊かな音楽性。とりわけ第二楽章の凄まじいこと! 何事かが起こったかのよう。私の心の中は生きる苦しみと生きる喜びと、なんだかわけのわからない生の躍動とであふれかえって私はまさしく躁状態に陥った。音楽の興奮で叫びだしたくなった。

アンコールはラヴェルの「フォーレの名による子守歌」。ショスタコーヴィチのソナタでこのコンサートが終わっていたら、私はしばらく眠れなかったことだろう。この曲がアンコールだったことで、ともあれ心落ち着いた。

それにしても素晴らしい演奏だった。戸田さんと野原さんにしかできない演奏だった。これを企画できたことを本当にうれしく思う。そして、このコンサートを立派に運営してくれたゼミ生を誇りに思う。改めて、このお二人の音楽かとしての才能と力量に圧倒された。

ゼミ生と話しあって、このお二人にお願いしてコンサートを開こうと決めたのは去年の秋だった。それ以降、お二人とも打ち合わせをし、ゼミ内部でも繰り返し企画を詰めて本日に臨んだ。できるだけ私は表に出ないで、ゼミ生の主体性に任せた。最高の形でよい演奏をサポートすることができた。

かなり疲れたが、今日は幸せに眠りにつけそうだ。

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コメント

樋口先生、金曜日こちらのコンサートにおじゃまいたしました!戸田さんと野原さんという組み合わせも期待大でしたが、プログラムもとても魅力的なものでした。
聴きなれたディガーヌも説得力のある戸田さんの演奏を目の前で聴かせていただきとても新鮮でした。ショスタコーヴィチのソナタではヴァイオリンソロの部分では我を忘れて引き込まれました。ピアノが合流するところではいつもいい意味でスリルを味わうのですが、息の合ったおふたり、本当に見事でした。
ただ、キャピュレットモンタギューは金曜の夜には少々刺激的でした。メインにショスタコソナタが用意されているので、前半は全部フランス系で例えばラベルのガスパール(オンディーヌとか)やパヴァーヌなどでもよかったかな、と個人的には思いました。安直でしょうか?これはいち個人のわがままです!
いずれにしても、これほどのコンサートを企画から運営まですべて学生の方が行ったというのは本当に素晴らしいです。大変な情熱を傾けられたことと思います。また次回もおじゃまいたします。
ありがとうございました。

投稿: Tamaki | 2016年5月22日 (日) 23時06分

Tamaki様
コメント、ありがとうございます。そして、当日おいでいただいてありがとうございます。
野原さんは、もしかしたら戸田さんのあまりの迫力に押されて、力が入ったのかな? と実はその時思ったのですが、後になって考えると、なるほどこんな解釈があるのかと納得したのでした。何しろ、とてもドラマティックな場面ですからね。プログラムについては、学生の側の「親しみやすい曲を演奏してほしい」という要望にお二人ができるだけ応えようとしてくれた結果、このようになったとご理解ください。

投稿: 樋口裕一 | 2016年5月24日 (火) 19時21分

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