たまフェス2016のこと、英国のEU脱退のこと
2016年6月25日、多摩市のヴィータホールでTAMA女と男がともに生きるフェスティバル2016が開かれた。その初めに行われたのが「0歳からの親子で楽しめるコンサート」。入場無料のコンサートで、入場者は100名を超した。音楽を聴く機会に恵まれない小さなお子さんやそのご両親に楽しい音楽を提供しようという企画で、樋口ゼミが協力して今年で4年目。
毎年、一人か二人のお客さんに「クラシック音楽を聴きに来たのに、小さな子どもがうるさくて聴いていられない。子どもを入れるべきではない」「子どもが泣いたり歩いたりして、演奏家に失礼だ」という厳しいアンケートをもらう。私自身は対応できなかったが、今年は受付をしていた学生にかなり長い時間にわたって激しく抗議に来た方がおられたらしい。
しかし、言うまでもなく演奏家の方たちには0歳からの子どもたちが聴きに来てくれることを承知で依頼している。しかも、今年演奏してくださった演奏家は昨年も出演し、このコンサートの趣旨を理解してくれたうえで今年も出演を快く引き受けてくれたのだ。そして、立ち歩いていた小さなお子さんの一人は演奏家のお子さんでもある。静かにクラシックの曲を楽しみたいのであればいくらでもコンサートがあるだろう。ぜひともこのコンサートの趣旨をご理解いただきたかった。
とはいえ、多くの方にコンサートを楽しんでいただけたと思う。ソプラノの田中樹里さんが歌とお話で盛り上げてくれたおかげで、子どもたちの一緒になって歌い、楽しむことができた。私自身は、フルートの池田里奈さんとピアノの村田千晶さんの演奏したピアソラ作曲の「天使の死」を初めて聴き、その素晴らしさを知ることができた。フルートというまさに天使的な音色の楽器がこれほどまでに天使的ではない音まで出せることに感動した。また、村田さんの演奏したピアノソロ版の「からたちの花」は、村田さんらしい清潔でしなやかな素晴らしい演奏にも驚いた。ヴァイオリンの内田沙理さんの演奏するハンガリー舞曲も第一番も弾みがありながらもみずみずしい演奏に心惹かれた。
ゼミ生はMCとして、裏方として活動してくれた。もちろん小さな失敗はたくさんあったが、学生たちはとてもしっかりとやってくれた。頼もしい。
ところで、昨日からの私の関心事は、英国のEU脱退だ。まさかとは思っていたが、英国民がこのような決断をするとは! 世界経済への影響もさることながら(といいつつ、私は経済のことはさっぱりわからないのだけど)、英国、EU諸国、そして世界全体の政治への影響が心配だ。これが世界的な国家分裂、閉鎖主義、排外主義の始まりでなければいいが。民主主義の名のもとに、傍からは自分の首を締めているとしか思えない民衆の選択が広まっていかなければいいが。これがむしろ世界のテロを誘発することにつながらなければいいが。もちろん専門家ではないので、よくはわからないが、あれこれと最悪のシナリオが頭に浮かんで仕方がない。
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