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藤沢市民オペラ「セミラーミデ」に驚嘆! 感動した

20161030日、藤沢市民文化会館で藤沢市民オペラ 歌劇「セミラーミデ」(演奏会形式・原語上演字幕付き)を聴いた。実質的に日本初演だとのこと。あまりのすごさに驚嘆した。もちろんそれなりにはよいだろうとは思っていたが、藤沢市民オペラということなので、過度な期待はしていなかった。しかし、これほどまでにすごいとは!

まず、歌手陣が見事。日本のロッシーニ歌いがこれほどまでにレベルが高いことを、大変失礼ながら、今日まで認識していなかった。とりわけ、私はセミラーミデの安藤赴美子、アルサーチェの中島郁子、イドレーノの山本康寛の三人の歌唱には心が躍った。見事な技巧、見事な声。音程も正確で声に輝きがある。世界一流のロッシーニ歌いにまったく負けていないと思う。技巧を駆使した難しい歌を鮮やかに歌って、人々を感動に導く。それぞれに「華」もある。アッスールの妻屋秀和も悪役を歌って実に見事。底光りする悪役だった。アゼーマの伊藤晴、オーロエの伊藤貴之、ミトラーネの岡坂弘毅も見事。

そして、特筆するべきは、藤沢市民から成る藤沢市合唱連盟と藤沢市民交響楽団。ともにアマチュアだと思うが、プロ顔負けの見事な技術だと思う。もちろん、頼りないところもないではないが、アマチュアがこれほどの演奏をするとは思っていなかった。とりわけ、オケの木管楽器が実に歯切れがよく、美しい音。合唱も厚みがあって実に頼もしい。

そして、これらをまとめ上げた指揮の園田隆一郎の手腕にも驚嘆した。演奏会形式であるだけに、指揮の様子が見えて、ありがたい。オケが指揮者の意図をしっかりと守っていることがよくわかる。プロではないオケに最大限の力を発揮できるようにしているのをところどころで感じた。だが、初めのうち安全運転風だったが、だんだんと勢いが出できた。上手に加減しながらも、アマ・オケからまごうことなくロッシーニの音楽を作りだしていく。特に変わったことをしているわけではないのだが、園田さんのタクトから出てい来る音楽は生き生きとして、ワクワク感があり、感動がある。

 ナビゲーターの朝岡聡もとても大事な役割を果たしていた。朝岡さん自身が心からロッシーニを愛していることがよくわかる。だからこそ心の籠ったナビゲーションになり、聞いていて楽しい。ドラマがいっそう身近でわかりやすくなり、音楽についての期待も高まる。

(ついでに言うと、昨日のこのブログでの私の文章を蒸し返すようだが、朝岡さんのこの見事なナビゲーションでさえも、もし匿名の影アナとして語られていたら、吹き出したくなるほど滑稽だっただろう。朝岡さんが登場して、ある個性を示して話をするからこそ、観客は引きこまれる。影アナではそうはいかない)。

 それにしても、ロッシーニの音楽は素晴らしい。「セミラーミデ」は大傑作だと改めて思った。こんな名曲が長い間、二流のオペラとみなされていたことが信じられない。すべての歌、すべての音楽に霊感が宿り、ドラマがあり、生命力がある。このことを改めて教えてくれた藤沢市民オペラに感謝。

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