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ウィーン国立歌劇場公演「フィガロの結婚」を堪能した

2016年11月10日、神奈川県民ホールでウィーン国立歌劇場公演「フィガロの結婚」をみた。堪能した。

 歌手陣はとてもまとまりがよかった。アンサンブルがよく、全員が素晴らしい。とりわけ、私はスザンナを歌ったローザ・フェオーラのヴィブラートの少ない澄んだ声にひかれた。音程がよく、まっすぐに声が伸びる。第一幕の、マルチェリーナ役のマーガレット・プラマーとの互いに中傷し合う二重唱はことばをなくような美しさだった。

アルマヴィーヴァ伯爵のイルデブランド・ダルカンジェロも太くて強い声で、さすがとしか言いようがない。フィガロのアレッサンドロ・ルオンゴ、ケルビーノのマルガリータ・グリシュコヴァもとてもよかった。ただ、伯爵夫人のエレオノーラ・ブラットは、ヴィブラートが強くて、私は少々苦手なタイプの歌手だった。とはいえ、もちろん感動を妨げるほどではない。歌手たちの声がそろっているので、アリア以上に重唱の部分がうっとりするほど美しかった。第四幕幕切れの重唱はまさしく鳥肌ものだった。

 実はリッカルド・ムーティは私の苦手な指揮者の一人なのだが、こうして聞くと、とてもいい。音楽に弾力があり、生き生きとして、ワクワク感を作りだす。演出はジャン=ピエール・ポネル。名演出として名高いもので、私はこれまで実演も映像も何度かみた記憶がある。とても良かったが、そろそろ別の演出を見たい気がする。

 いまさらながらこんなことを言うのも愚かだが、モーツァルトのオペラを久しぶりに見ると、そのとてつもない天才を改めて感じる。本当に信じられないほどの美しい音楽の連続。本当によくできている。音楽にひたすら身を任せ、音楽と一体化する。なんという愉悦。

 本日もまた満足なり。とはいえ、オペラやコンサートが続き、お腹いっぱいの感じ。ちょっと「休音楽日」を作りたい気持ちになった。

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