METライブビューイング「ロメオとジュリエット」 ダムラウとグリゴーロのすごさ!
東銀座の東劇でMET(ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場)ライブビューイング、グノー作曲の「ロメオとジュリエット」をみた。後半はとりわけドラマティックに、そしてロマンティックに盛り上がって圧巻だった。
なにしろジュリエットを歌うディアナ・ダムラウとロメオのヴィットーリオ・グリゴーロが圧倒的。ダムラウの機敏な動きは、幕間に語られていた、まさしく14歳の少女に見える。まっすぐで活動的で多感な女の子。強靭な美声はすさまじい。なるほど、このような強い声のジュリエットもとても説得力がある。私はこの人の実演は、日本公演の「ルチア」しか見ていないが、あの時も驚いたが、改めて驚嘆。グリゴーロも熱血で後先を忘れる少年に見える。もちろんダムラウに引けを取らないしっかりと伸びる声。ロメオに見える。
指揮はジャナンドレア・ノセダ。第5幕はワーグナー的ともいえる噎せ返るような官能とドラマティックな盛り上がりを聞かせてくれた。しばらく魂がしびれた。
バートレット・シャーによる演出もとてもおもしろかった。オペラの「芝居」とは思えない。グリゴーロを含めて、すべての登場人物の剣さばきがオペラの中のものとは思えないリアリティ。群衆の動き、人物造形などに目が行き届いている。ただ、オペラ演出家ではなく、演劇の演出家ということで、音楽に対する踏み込みは感じられなかった。そして、マキューシオや小姓ステファーノなどのモンタギュー家とキャピュレット家の人々の配役について容姿と演技力を重視したのか、音楽的にはMETにしては少々物足りなさを感じた。
このところ忙しくて、しばらくMETライブビューイングをみに行く時間が取れなかった。久しぶりに見ると、やはり素晴らしい。世界最高の図抜けた歌手たちが、豪華でわかりやすくてドラマティックな演出によって最高の歌唱を聞かせてくれる。これを毎回続けるのはMET以外にないだろう。
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