鈴木雅明+シティフィルのベートーヴェンとバルトークは、よくわからないまま終わってしまった
2017年2月18日、東京オペラシティコンサートホールで、東京シティフィルの定期演奏会を聴いた。指揮は鈴木雅明。曲目はウェーベルンの「パッサカリア」作品1とベートーヴェンの交響曲第4番、後半にバルトークの「管弦楽のための協奏曲」。
鈴木雅明の指揮はこれまでバッハ・コレギウム・ジャパンによるバロック音楽しか聴いたことがなかった。先日、鈴木指揮のベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」のコンサートに行きたいと思っていたが、日程が合わなかった。今回、私の大好きなベートーヴェンの第4番がプログラムに含まれているし、以前、飯守泰次郎指揮のブルックナーやワーグナーの演奏で何度も感動させてもらったシティフィルなので、楽しみにして足を運んだ
ウェーベルンはとてもおもしろかった。ロマンティックな演奏であることに驚いた。短い主題が変奏されていく手際が見事だと思った。
だが、その後のベートーヴェンに関しては、残念ながら私には鈴木さんが何をしたいのかよくわからなかった。バッハ演奏ではあれほどビシッと決まるリズムが、ベートーヴェンになると少し不安定に私には聞こえる。曲想の変化もオケが十分についていっていないように感じる。とりわけ第三楽章以降はバタバタしているように思えた。私の好きな第4番の醍醐味を味わうことができなかった。
バルトークについても、私にはそれぞれの楽章の意図が読み取れなかった。曲想をどのように性格づけるかもう少し明確にしてくれないと、私のようなバルトークを特に贔屓にしているわけではない人間としては途方に暮れてしまう。結局、よくわからないまま終わってしまった感がある。
今日の感想としては、大変残念ながら、鈴木雅明指揮ベートーヴェンとバルトークはバッハほど素晴らしくなかった・・・ということになる。
それにしても、客の入りが悪かった。魅力的なプログラムだと思ったのだが、そう思う人は多くはないのだろうか。
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コメント
人の入りが悪かったのは、同日同時刻にシティフィルと関係の深い飯守泰次郎さんが、横浜でベートーヴェンの8番とシューベルトの8番「グレート」というプロをやったためだと思います。「せめて一日どちらかずらしてくれていたら」と思ってたファンの人は少なからずいたと思います。
投稿: かきのたね | 2017年2月20日 (月) 00時30分
かきのたね 様
コメントありがとうございます。
なるほど、そんな事情があったんですね。もっと満員でしたら、雰囲気がずいぶん変わったかもしれません。
投稿: 樋口裕一 | 2017年2月23日 (木) 08時16分