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オリヴェイラ監督の映画3本「夜顔」「コロンブス 永遠の航海」「ブロンド少女は過激に美しく」

 先日来、少し時間的余裕がある。大学での残りの仕事もあるし、原稿も書いているが、昨日から映画DVDを何本か見た。100歳を過ぎても意欲的な新作を発表していたポルトガルの映画監督マノエル・ド・オリヴェイラの名前は知っていたが、映画はこれまで見たことがなかった。3本立て続けにみたので感想を書く。

 

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「夜顔」  
2006

 オリヴェイラが9798歳のころの作品。ルイス・ブニュエル監督の1967年の映画「昼顔」の続編として作られている。もちろん、封切から少したった頃に、私は「昼顔」(Belle de jour)をみた。ただ、実はブニュエルは好きな監督ではなく、「昼顔」についても特に強い感銘は受けなかった。「夜顔」(原題はBelle toujours 「いつも美しい」とでも訳すのか?)は「昼顔」の主人公二人が30年以上後に再会したという設定。男のほうは同じミシェル・ピコリ(大好きな役者だった。昔、かなりの数の出演作をみた)、女のほうは「昼顔」のカトリーヌ・ドヌーヴ(もちろん、大好きな女優だった。今でも世界一魅力的な美人女優だと思っている)ではなく、ビュル・オジエ(ブニュエルの「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」に出演していたらしいが、覚えがない)が演じている。

 特に何かが起こるわけではない。そもそも、なぜ「昼顔」の続編にしたのかもよくわからない。美しい映像、意味ありげな、しかもおかしみのある雰囲気。ドヴォルザークの交響曲第8番のコンサートで始まり、その後もこの曲が何度も聞こえてくる。そのせいもあって、親しみやすく、懐かしみのある独特の雰囲気が漂う。

飽きずに最後まで見てしまうが、結局たいしたことは起こらず、何か起こりそう・・・という予感の雰囲気だけで終わってしまう。もしかしたら、そもそもそういう映画なのかもしれない。70分ほどの映画なのでおもしろく見たが、90分もあったら、途中で退屈しただろう。

 

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「コロンブス 永遠の航海」 
2007

 1940年代、第二次大戦後にポルトガルからアメリカに移住した青年マヌエルが高齢になるまで、コロンブスの出生地を探し求める物語。地理的ではなく歴史的なロードムービーといった雰囲気。コロンブスはポルトガル人だったという説をマヌエルは追い求める。ただ、それだけの話。映像は美しいし、とても芸術的ではあるが、私としてはあまりおもしろいと思わない。熱烈なファンがいるのは承知しているが、私はあまり惹かれない。「ポルトガルは偉大な国だった」と語っているだけの、やはり100歳近い老人の時代離れした映画に思える。

 たびたび赤と緑にコロンブス時代らしい服を着た人物が幻想として現れるが、誰なんだろう。これは男性? それとも女性? それすらわからない。着ている服はポルトガルの国旗の色ということなのだろう。これはコロンブスということなのか? それとも守護天使? 私は小説や映画の謎については、解くのを得意としている人間なのだが、この映画については謎が謎のまま終わった。・・・というか、まったくおもしろいと思わず、しばしば映画から意識が離れたことを告白しておく。

 

 

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「ブロンド少女は過激に美しく」 
2009

 100歳の監督の作った映画とは思えない。青年がブロンドの女性に恋をし、苦労の末に結婚しようとするが、その女性は結婚指輪を買おうとしている時に万引きをしたために青年は結婚を取りやめる。それだけの話を芸術作品としか思えないような美しい長回しの映像によって描いていく。それなりにはおもしろいが、私としてはやはり物足りない。1時間ほどの映画なので、これ以上のことを描くのは難しいとは思うが、それにしても肩透かしにあった気がする。

 オリヴェイラの映画を3本みたが、私の好きなタイプの映画監督ではなさそうだ。あと数本見てみようかと思っていたが、これから先、惹かれる映画に出会いそうな気がしない。

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