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新国立「ルチア」 オルガ・ペレチャッコにただただ驚嘆

2017318日、新国立劇場で「ルチア」をみた。とてつもないルチアだった。声の饗宴に圧倒された。

 ルチアを歌うオルガ・ペレチャッコ=マリオッティ(ちょっと前まで、単にオルガ・ペレチャッコと呼ばれていたと思うが、今回、名前のうしろに「=マリオッティ」が加わっている!)がものすごい。前半は抑え気味だったと思う。少しも声を張り上げない。だが、それでも美声がビンビンと響きわたる。音程が完璧で、声のコントロールも素晴らしい。清らかで繊細で知的な歌いまわし。

 私はこの人の「四つの最後の歌」をフランスのナントでのラ・フォル・ジュルネで聴いた記憶がある。2011年のことだ。その時、初めてペレチャッコの名前を知り、その力量に驚いたのだった。あれから6年。押しも押されもしない大歌手になっていた! 狂乱の場などただただ圧倒され、驚嘆して聴くばかりだった。狂乱の場に入る少し前だったと思うが、2回ほど声のかすれが聞き取れたので少し心配したが、最後まで見事な声で歌い切った。すごい!

 エドガルドのイスマエル・ジョルディも素晴らしい声。エンリーコのアルトゥール・ルチンスキーもそれに全く劣らない。主役格の三人の外国人歌手は世界最高といえるのではないか。これ以上の「ルチア」は世界でもなかなか聞けないだろうと思った。

 日本人歌手たち(ライモンドの妻屋秀和、アルトゥーロの小原啓楼、アリーサの小林由佳、ノルマンノの菅野敦)も健闘していたが、三人の外国人歌手に比べると、やはりかなり分が悪い。それほどまでに三人、とりわけオルガ・ペレチャッコ=マリオッティは圧倒的だった。

 オケは東京フィルハーモニー交響楽団、指揮はジャンパオロ・ビザンティ。手堅くまとめている様子。東フィルもとても素晴らしかった。第一幕では少し歌と合っていないところがあったが、その後、どんどんと調子を上げてきた。演出はジャン=ルイ・グリンダ。CGを使ったきれいな舞台だった。ルチアはアルトゥーロを殺した後、その生首を槍にさして登場。ここまで血なまぐさい演出は初めてみた気がする。

 狂乱の場でふだんはフルートで演奏されるルチアの伴奏をグラスハーモニカ(というか、正確にはヴェロフォンというらしい)で演奏された。音程が不安定で、いかにも狂気じみている。

 オルガ・ペレチャッコ=マリオッティの繊細な美声が今も耳に残っている。

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