2017年ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 勝手にベスト5
昨日、2017年の「熱狂の日」音楽祭 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンが終わった。今年のテーマは「ダンス」。運動神経が鈍くて踊りが好きではない私は、テーマとは関係なく、ただ聴きたい音楽を聴いた。
2005年から昨年まで、私が聴いたのは有料のものだけで451のコンサートだった。今年18個のコンサートを聴いたので、これまでに合計469のコンサートを聴いたことになる。もちろん、その中には、東京のラ・フォル・ジュルネだけでなく、ナント、びわ湖、今はなくなった鳥栖のコンサートも含まれる。
私が聴いた18のコンサートに勝手にベスト5を選ぶと以下のようになる。ただし、言うまでもないことだが、私はまったくの素人であって、しかも鍵盤楽器をあまり好まないという傾向がある。また、こてこてのクラシック音楽好きであって、ふだんはバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、ワーグナー、シュトラウスあたりのドイツ系本流ばかりを聴いている。ここに選んだのももちろん偏りがある。
① フランス国立ロワール管弦楽団 、パスカル・ロフェ (指揮)
ラヴェル「古風なメヌエット」、 ストラヴィンスキー バレエ「春の祭典」
最終日の最後のコンサートで聴いた。しなやかな音のリズムと爆発が素晴らしかった。
➁ テディ・パパヴラミ(ヴァイオリン)、グザヴィエ・フィリップ(チェロ)、フランソワ=フレデリック・ギィ(ピアノ)
ベートーヴェン ピアノ三重奏曲変ロ長調「大公」
繊細で高貴でありながら最後には躍動に達する素晴らしい「大公」だった。三人の演奏者の音の美しさにも驚嘆した。
③ テディ・パパヴラミ(ヴァイオリン)、フランソワ=フレデリック・ギィ(ピアノ)
ベートヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」、ファリャ「スペイン民謡組曲」、バルトーク「ルーマニア民俗舞曲」
パパヴラミの音と音楽表現に圧倒された。
④ 竹澤恭子(ヴァイオリン)、フランス国立ロワール管弦楽団、パスカル・ロフェ(指揮)
シベリウス「悲しきワルツ」 シベリウス ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
ロマンティックな情熱と構築性を兼ね備えた理想のシベリウスだと思った。立沢さんの力量に改めて驚嘆。ロフェの指揮もオケも素晴らしかった。
⑤トリオ・エリオス ドヴォルザーク ピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」、ブラームス(モファット編) ハンガリー舞曲第1番、第6番
若いトリオの精妙で躍動感ある演奏に惹かれた。活動を続ければ、きっと世界を代表するトリオになると思う。長く追いかけたい。
番外 ローザンヌ声楽アンサンブル、シンフォニア・ヴァルソヴィアのメンバー、ダニエル・ロイス(指揮)など。
オネゲル オラトリオ「ダヴィデ王」
曲の価値を理解できた。最後の「ハレルヤ」には本当に感動した。
なお、昨日も書いたが、林田直樹著「ルネ・マルタン プロデュースの極意」(アルテス・パブリッシング)がおもしろい。林田さんがあとがきで書いているように、実は今、ラ・フォル・ジュルネは岐路にある。もう東京のラ・フォル・ジュルネはやめにしようという声も日本側から起こったという話も聞いている。そんな時、この本は意味を持つ。初心を知ることができる。改善点のヒントにもなる。いや、ここからもっと素晴らしい企画をする人物が現れてくれたら、私としてはそれもうれしい。
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