読響シンフォニックライブ 川瀬指揮のショスタコーヴィチ第12番はとてもよかった
2017年6月7日、ミューザ川崎シンフォニーホールで、読響シンフォニックライブを聴いた。川瀬賢太郎指揮、田村響ピアノで、前半はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、後半はショスタコーヴィチの交響曲第12番「1917年」。このごろあちこちで名前を聴く二人の若手演奏家だが、私は一度も聴いたことがなかった。
ラフマニノフは好きな作曲家ではなく、それほど聴きなじんでいるわけではないので、何とも言えないが、私は最後まで腑に落ちなかった。ラフマニノフの曲想に対して、田村のピアノにロマンティックな情感が欠けているように思えた。もちろん意識的にそうしているのだろうが、では、どのような音楽を作りたいのか、私には見えてこなかった。残念ながら、あまり感動しなかった。
後半のショスタコーヴィチは、とてもおもしろかった。ショスタコーヴィチについても、私は演奏をあれこれ言えるほど聴きこんでいないが、ショスタコーヴィチ特有の神経痙攣の爆発とでもいえるような部分には興奮した。川瀬の指揮はきわめて力感にあふれ、しかもしっかりと整理されていて、とてもよかった。
ただ、私はショスタコーヴィチの交響曲よりも室内楽曲のほうがずっと好きだ。交響曲はソ連当局やソ連国民を意識しているせいか、韜晦が混じっていて私は素直に感動できない。ヴォルコフの「ショスコタコーヴィチの証言」が現れて、その真偽が問題になる前から、私はそのような思いを抱いていたが、この「証言」の後は、交響曲を聴くごとに私の頭の中は疑問符だらけになる。今回もそうだった。最終楽章は本当に祝祭風なのか、最後のしつこいまでの繰り返しに何か意味があるのか。・・・ただ、オーケストラの力演に押されて、ともあれ納得させられた。
アンコールはショスタコーヴィチの「タヒチ・トロット(二人でお茶を)」(アメリカのミュージカルソングをショスタコーヴィチが編曲したもの)。とても軽妙でありながらも、ショスタコーヴィチらしさが随所にあってとてもおもしろかった。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- ヴァン・カイック弦楽四重奏団 音楽そのものの醍醐味!(2026.10.09)
- 新国立劇場「イタリアのトルコ人」 演出の工夫に感心!(2026.10.07)
- カルテット・アマービレ&今井信子のブラームスの感動!(2026.10.06)
- 濱田芳通&アントネッロの「マタイ受難曲」 ドラマティックな人間ドラマ・群衆ドラマ!(2026.10.04)
- オペラ映像「ラ・ボエーム」「ナブッコ」「ドン・パスクヮーレ」「ばらの騎士」(2026.09.24)

コメント