私の故郷・日田の豪雨
2017年7月6日。私が子どものころから見慣れた光景が、豪雨の被災地としてテレビに繰り返し映されている。しばしば使っていた久大線の鉄橋が流されている。日田市大鶴地区(私の母の実家があったところであり、私が生まれたところでもある)も特に被害の大きい地域として報道されている。緑の多い穏やかな土地が泥だらけの姿になっている。鮎の住む清流が泥川になり、流木やごみがたまっている。福岡空港から日田までバスで移動する地域が今回の豪雨の中心的な被災地だ。
両親は一昨年、高齢のために東京に越してきた。父はその年に亡くなった。両親はそれまで日田市内に住んでいた。両親の暮らしていた地域もどうやら避難指示地域に指定されていたようだ。両親が日田に住んでいなくてよかったと心から思う。いとこたちが何人か日田市内に住んでいるが、彼らはまだ若い(といっても私とほぼ同年代だから結構な老人だが)ので、濁流にのまれる前に対応できるだろう。
日田に住んだのは5歳までで、それ以降は父の仕事の関係で中津市、大分市で暮らした。父の実家は日田市内にあったので、帰省先は日田だったが、私自身は日田についてもそれほど強い故郷意識は持っていない。持っていないつもりだった。だが、日田の惨状をみると、私の中の郷愁が刺激される。故郷が失われていくような気分に陥る。両親とともに日田の風景をみていたころを思い出す。
母は老人ホームでテレビを見て日田の状況は知っているようだ。今日、老人ホームに母を見舞った息子によると、母はそれほど大きな落胆や心配の様子は示していなかったという。私自身で確かめたいが、実は私は札幌で風邪を引いたらしく、咳が出て、一昨日からはほとんど声が出ない。老人ホームに風邪を蔓延させるわけにはいかないので、しばらく母のところには行っていない。
これ以上、被害が拡大しないことを祈りたい。
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