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ペルゴレージ「オリンピーアデ」 完成度の高い見事な上演

 2017113日、紀尾井ホールでペルゴレージ作曲のオペラ「オリンピーアデ」(セミ・ステージ形式) をみた。台本はピエトロ・メタスタージオ。素晴らしい演奏だった。

 歌手全員が実に素晴らしい。音程もいいし、声もしっかり出ている。声のコントロールも完璧。昨日、オペラのスターを目指す若手の演奏を聴いたが、今日の歌手たちはまさしく日本の大スターたち。しかも、すべての歌手が美しい容姿を兼ね備えており、立ち居振る舞いも見事。日本の歌手がこれほどまでに完成度の高いオペラを上演できるようになったことを改めて実感。おかげで、これまでみたことのなかったペルゴレージの名作オペラを堪能できた。

 ペルゴレージは、「スターバト・マーテル」が圧倒的名曲だが、オペラもとても楽しいことを改めて知った。実演でペルゴレージのオペラを見るのは初めて。映像では「妹の恋した兄」や「奥様女中」「リヴィエッタとトラコッロ」をみたことがあるが、今回の「オリンピーアデ」は映像もみたことがなかった・

オリンピックに優勝すると褒美に意中の女性を妻にできるので、過去に助けたことのある男性を替え玉につかおうとしたところ、替え玉になった男性がその褒美になる女性と恋仲にあったために苦悩することになる・・・という物語。ハッピーエンドで終わるが、なかなかに劇的。ストーリーもおもしろい。

 それぞれの人物がいくつかのタイプの歌を割り当てられ、それぞれが存在感を示すことができるように作られている。どの歌も魅力的。ただ、モーツァルト以降のオペラに比べて、どの人物の歌もそれほど大きな差がないので、繰り返し音楽を聴いて楽しむのは難しいかもしれないとは思う。

カストラートのために作られたオペラなので、男性もソプラノで歌われる。男役のリーチダを歌う澤畑恵美とメガークレを歌う向野由美子がいずれも男性的に歌って見事。アリステーアの幸田浩子とアルジェーネの林美智子はいずれも美しい女性を歌い上げていた。二人は容姿も華麗で言うことなし。男性では、クリステーネ役の吉田浩之とアミンタ役の望月哲也がいずれも数少ない男の声の存在感をしっかりと示していた。もう一人、アルカンドロを歌うカウンターテナーの彌勒忠史が弱音を見事にコントロールしていた。カウンターテナーは音程が不安定なことが多いのに、まさしく完璧。

河原忠之の指揮もとてもよかった。きびきびしていて、しかもドラマティック。紀尾井ホール室内管弦楽団もまったく不満はない。粟國淳の演出も、簡素ながら、とても分かりやすく、しかも美しい。

ともかく全体的にこれ以上望めないほどの完成度だった。もっとペルゴレージのオペラをみたくなった。さっそくDVDを何枚か注文した。

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