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ブロムシュテット+ゲヴァントハウスの「ドイツ・レクイエム」に感涙した

  20171113日、NHKホールでNHK音楽祭公演、ヘルベルト・ブロムシュテット指揮によるライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏で、ブラームス「ドイツ・レクイエム」 作品45を聴いた。素晴らしい演奏。感動した。

 ブロムシュテットは90歳。さすがのブロムシュテットも老いたという話を聞いていたが、実際に聴いてみると、かつてのように若々しい。オーケストラを完璧にコントロールし、徒にドラマティックにすることもなく、徒にロマンティックにすることもなく、明晰に論理的に構成していきながら、聴くものを感動に導く。明るめの音できびきびしており、しかも細かいニュアンスも素晴らしい。いったいこの人は90歳になってまでも、なぜこんな音楽を作ることができるのだろう。もはや一つの神秘としか思えない。

 そして、言うまでもなくそれに応えるゲヴァントハウス管弦楽団が本当に美しい。弦はもちろんいいが、木管の美しさにほれぼれした。アンサンブルも見事。抑制されたリリシズムを見事に描き出す。

 ウィーン楽友協会合唱団も圧倒的な声を聴かせてくれた。音程がいいということだろうか、完璧な和音をなし、音が澄み切っていて潤いがある。これほど美しい合唱はめったに聴くことができない。

 独唱のミヒャエル・ナジ(バリトン)とハンナ・モリソン(ソプラノ)もよかった。とりわけ、ナジはきれいな声で知的な歌い回し。モリソンはちょっとだけオケと合わないところを感じたが、全体的には清澄な声でしっかりと歌ってすばらしい。

 ともかく、全体的に素晴らしかった。これまで実演で聴いた「ドイツ・レクイエム」のうち、バレンボイム、シカゴ交響楽団が最高だと思っていたが、今回は間違いなくそれ以上に感動した。何度か魂が震えた。何度か涙が出てきた。

 改めて、「ドイツ・レクイエム」の音楽の素晴らしさも痛感した。

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コメント

樋口先生、たった今そのドイツレクイエムをテレビ「クラシック音楽館」で聴きました。NHK音楽祭のダイジェスト版でしたが、とても感動しました!その場にいたら涙が出たと思います。終曲でブロムさんがうんとうなずくまでじっと余韻に浸ったオーディエンスも素晴らしいです。死にゆくものは幸いである・・・まさにそう感じさせる名演奏だったと思います。

私は11日、サントリーホールでカヴァコスのソロでブラームスヴァイオリンコンチェルトとシューベルトのグレイトを聴きました。マエストロは長蛇の列のサイン会にもお出ましになり、The Greatest Great!と申し上げると、ニコニコうなずきながら美しい字でサインをしてくださいました。

投稿: Tamaki | 2017年11月19日 (日) 23時14分

Tamaki 様
コメント、ありがとうございます。
実は本番では、ブロムシュテットが指揮棒を下す前に、一人だけ拍手をした人がいたのです。ほかの人が制止しても、その人はしばらく続けていたのですが、後に続く人がいなかったために、拍手は止まったのでした。今日、インドネシアの短い旅から帰って、テレビ録画を確認してみたのですが、拍手は消されていました。もちろん、消すほうが感銘度は高いでしょうね。それにしても、感動的な素晴らしい演奏でした。

投稿: 樋口裕一 | 2017年11月21日 (火) 22時48分

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