ハンガリー国立歌劇場公演「ランメルモールのルチア」 若手中心のキャスト
2017年11月6日、武蔵野市民文化会館大ホールでハンガリー国立歌劇場公演「ランメルモールのルチア」をみた。武蔵野でのオペラは若手中心のキャストであることが多い。よそ行きの公演ではなく、ふだん現地で行われているレベルのオペラが楽しめる。その意味では、とてもよかった。
未知の人ばかりだが、歌手陣ではそろっている。エンリーコのミケーレ・カルマンディが悪役にふさわしい張りのある声。若いのに容貌も風格がある。エドガルドのイシュトヴァン・ホルヴァートもしっかりした美声、アルトゥーロのティボル・サッバノシュも、少し声は弱いが、美声には魅力がある。ライモンドのクリスティアン・チェルは、ちょっと音程に不安定さを感じたが、それでもしっかりしたよい声。
ルチアのエリカ・ミクローシャは、きれいな声と清楚な容貌はとても魅力的だが、声に威力がものたりない。ルチアを歌うにはもう少し圧倒的な声の力がほしい。
マーテー・サボ-の演出はきわめて穏当。取り立てて目新しいところはないが、存在感はあり、美術的にもなかなかきれい。
もっとも問題が大きかったのは指揮のバラージュ・コチャールだろう。丁寧に歌を伴奏するのはいいのだが、狂乱の場になっても、残酷な場面でも一本調子で、ドラマティックなところがない。歌手陣はかなりのレベルなのに、少しも盛り上がらなかったのは指揮のせいだろう。「ルチア」でこれでは辛い。
少々欲求不満だった。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- METライブビューイング「ドン・カルロス」 フランス語版の凄味を感じた(2022.05.17)
- バーエワ&ヤノフスキ&N響 苦手な曲に感動!(2022.05.14)
- Youtube出演のこと、そしてオペラ映像「パルジファル」「シベリア」(2022.05.10)
- ヤノフスキ&N響 「運命」 感動で身体が震えた(2022.05.08)
- オペラ映像「イェヌーファ」「炎の天使」「魔弾の射手」(2022.05.01)
コメント