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フェドセーエフ+チャイコフスキーSO 苦手なタイプの演奏だった

20171114日、ウラディーミル・フェドセーエフ指揮によるチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ(旧モスクワ放送交響楽団)の演奏を聴いた。曲目は、前半にボロディンの「イーゴリ公」より「ダッタン人の踊り」と三浦文彰が加わってのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。後半にはショスタコーヴィチの交響曲第5番。

フェドセーエフの指揮を実演で聴くのは初めてだと思う。もしかしたら、1980年代に聞いたことがあるかもしれないが、あまり記憶にない。今回聴いて、私の最も苦手なタイプの指揮者だと思った。オーケストラをあまり抑制しないで、自由に演奏させるタイプだと思う。私はこのような演奏を「野放図」と感じてしまう。高い評価を得ている指揮者の中にこのような演奏をする人がかなりいるので、きっとこれは私が主観的に受け付けないだけなのだと思うが、受け付けないものはどうにもならない。

チャイコフスキーの協奏曲は先日、ギル・シャハムとネルソンス指揮のボストン交響楽団の演奏で聴いたばかりだったが、かなり大きな差があると思った。ギル・シャハムはもっと雄弁でもっとずっと自在だった。三浦はまだ十分に自分らしい表現ができずにいるのを感じる。まだこれからの人だと思う。

後半のショスタコーヴィチに期待していたのだが、私にはこれも不発だった。抑制がないので、爆発もない。少なくとも私は緊張感も厳しさも感じなかった。

アンコールは知らない曲とチャイコフスキーの「白鳥の湖」の中の曲とのこと。これはオーケストラの息の合った演奏で見事だった。アンコールが一番良かった。

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コメント

はじめまして。
あの演奏会 どう表現するかと思っていた折、
野放図という表現まさに同感でした。
調子っぱずれのピッコロ、ホルン、他、余裕のない金管。
くたびれた弦。
本当にアンコールが1番安定していたと思います。

投稿: Satie | 2017年11月18日 (土) 00時41分

Satie 様
コメント、ありがとうございます。
同じように感じた人がおられたことをうれしく思います。かなり喝采されていましたので、私としましては信じられない思いがしたのでした。
ただ、もう一度機会がありましたら、フェドセーエフを聴いてみたいとは思っております。

投稿: 樋口裕一 | 2017年11月19日 (日) 22時43分

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