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チェンマイ旅行 その1

 昨日(2017129日)から、タイのチェンマイに来ている。8日の夜に飯田みち代ソプラノ・リサイタルを聞き終えてすぐに羽田空港に向かい、タイ航空でバンコクを経由してチェンマイに着いた。今年9回目の海外旅行。退職後、アジアの海外旅行を楽しんでいる。

 今回のチェンマイ旅行には35年ほど前のリベンジの意味がある。当時、私は行き当たりばったりの旅でバンコクにおり、チェンマイに行こうとして中央駅まで行った。ところが、駅の窓口には、今と違って英語の表記がほとんどなかった。インフォメーションで尋ねようと思ったが、いくら待っても係員が来なかった。しばらく待つうち、チェンマイに行くのが怖くなって中止したのだった。それ以来、ずっと気になっていた。たまたまマイレージを消費しないと消えてしまうので、これを機会にチェンマイ旅行を思い立った。

 チェンマイに着く前に一つの事件があった。

 実は私はかなり異常なほど忘れ物の多い人間だ。あちこちにいろいろなものを忘れてくる。今回、またバンコクまで乗った飛行機に本とアイポッドを忘れてしまった。飛行機から降りてしばらくして気づき、近くにいた係官にそのことを伝えた。すると、あれこれ手をまわしてくれて、ぎりぎりではあったが、チェンマイ行きの搭乗口で手渡してくれた。自分のドジさに改めてあきれるとともに、バンコク空港の方々に感謝。感謝するだけでなく、連絡網がしっかりしていることにも感嘆。

 朝の9時半頃にチェンマイ空港に到着。アジアの雰囲気のこじんまりした空港。ただ、ほかの空港のように「タクシー?」などと客引きしてくるものはいない。こちらから「空港タクシー」に声をかけ、料金を決めて出発。運転は乱暴ではない。道もそれほど混んでいない。

トゥクトゥクがあちこちにある。これもそれほど乱暴な運転ではない。

ホテルに着いたのは10時ころだった。おしゃれな植民地風のホテル。チャックインの時間までまだ間があったがすぐに部屋に入れてもらえた。一眠りして12時前から活動開始。雲は多いが、ともあれ晴れの天気。気温は30度になるかならないかくらい。暑いのは暑いが、耐えられないほどではない。

 このところのモンゴル、スリランカ、インドネシアではガイドさんをつけての旅行だったが、タイなら個人でもなんとかなると思うので、ともあれ昔ながらの一人旅。行き当たりばったりに歩き、疲れたら店に入って休み、また歩く。

 ホテルから出てすぐのところに寺があった。バンコクでもよく見かける堂とストゥーパがあり、数人の観光客と散歩中らしい現地の人がいる。有名な寺院ではないが、生活に根付いているし、とても雰囲気がいい。

 街の雰囲気は、先日訪れたデンパサールに似ている。日本人からすると、ちょっと汚い感じの現地の店とおしゃれな観光客向けのカフェやお土産物店が並んでいる。そこを白人観光客が歩いている。個人で歩いている人のほとんどが短パンにTシャツの白人。若い人も高齢の人もいる。中心街に行くにしたがって、そこに中国語を話す人が増えてくる。集団旅行の人もいるが、そのほぼ100パーセントが中国人だ。ただ、デンパサールと違うのは、異様にマッサージ店が多いこと、そして、道のあちこちに果物(ココナツやドリアンなど)や料理を出す屋台があること。

ホテルはターペー通りの近くにあった。そのままターペー門という旧市街地を囲っていた門をくぐった。現在も観光客でにぎわい、ハトが集まっている。

そのままダーチャダムヌーン通りを進んで、旧市街内を歩いた。いたるところに寺がある。通りの右にも左にも、ほとんど連続しているかのように寺院が見えてくる。有名な大きな寺院もあれば、小さな寺院もある。どれもがとても美しい。とがった屋根、赤い瓦、白かったり金色だったりのストゥーパ、きらびやかな金色の仏像。初めのうちは地図で寺院の名前を確認していたが、だんだんとどうでもよくなった。歴史などについて知るのは後にして、まずは風景を味わいたい。

ある寺院の内部でマッサージ屋さんが店を開いていた。マッサージの店はあちこちにあるが、店の内部に入るのには少々抵抗がある。なんだかちょっと怪しい感じがしないでもない。が、そこは寺のお堂で、外からも見えるところでマッサージをしている。中国人らしい男性と女性、西洋人、そして現地の女性が客としてマッサージを受けていたので、私も受けることにした。いわゆるタイ式マッサージで、ストレッチっぽいことをさせられた。私を担当したのは、中年の女性。男性マッサージ師さんも何人かいた。1時間150バーツ。450円くらいだろう。かなり安い。私のかなり頑固な肩こりにはあまり効き目なかったが、1時間、外の風にもあたりながら、ゆっくりとマッサージを受けられたのはとても快適だった。

その後、ワット・パンタオとワット・チェーディー・ルアンを見た。タイの寺院は本当に素晴らしい。30数年前に初めてバンコクでいくつもの寺院を見た時の感動を思い出す。

少々疲れたので、ラチェマンカ通りを通ってホテルに戻って、一休み。

1時間ほどしたら、元気が回復したので、こんどはターペー通りを反対の歩いてチェンマイ駅まで行ってみた。かなり交通量が多い。ばい煙はかなりひどそう。だんだんと観光客は少なくなる。食堂、金物屋、宝くじ屋、自動車修理工場などが並んでいる。大きな川を渡った。その向こうには十字架が見えた。キリスト教系の施設があるようだ。30分以上歩いてチェンマイ駅に到着。

小さな駅だった。人も少ない。列車が見えたが、乗る人も降りる人も確認できなかった。日本の、たとえば私の故郷である日田駅と大差ない。時間帯によるのかもしれないが、白人の客が数人、中国人らしい人が数人、あとは現地の駅員やお店の人ばかり。駅前にタクシーの列もない。

歩くのには疲れたので、近くで休憩していた運転手に声をかけてトゥクトゥクでワット・プラシンまで行った。ちょっと値切って130バーツにしてもらった。ワット・プラシンは旧市街の最も西にある大寺院。巨大な金色のストゥーパがある。大きな金色の仏像もある。中国人が大半を占める客に交じって、しばらく観光した。壮麗で本当に素晴らしい。聖なるものを感じる。日本の寺院のような厳粛な世界というよりも、もっと現世に近く、軽やかでしかも崇高な世界。そんな極楽の存在を信じたくなってくる。

とはいえ、有名な寺もいいが、観光客のいない小さな寺院でゆっくりと本を読んだり、風に吹かれたり、考え事をしたりする方が性に合いそうだと思った。3日目の帰国する日はそうして過ごすことにしたい。

飛行機内での食事が続いた(羽田・バンコクでも、バンコク・チェンマイでも朝食が出た)ため、昼食を抜いていた。17時ころだったが、おなかがすいたので、タイ料理屋を見つけて、魚料理とチャーハンっぽいものを頼んだ。一人では多すぎて半分以上残した。おいしかったが、もったいなかった。

その後、ホテルに戻り、夜、少しだけ街を歩いてみた。セブンイレブンで買い物。セブンイレブンはところどころにある。「砂糖抜きか」と尋ねて、確認して買ったのに、帰って飲んでみたら、緑茶は甘かった。夕食が早かったので、夜、おなかがすいた時のために海老せんべいのようなものも買って、少しだけ食べてみたが、これも甘かった。タイの人は甘いもの好き?

もう一つ感じたこと。ホテルでテレビをつけた。BSも含めてかなりの数がチャンネルに登録されている。中国語の放送が4つくらいある。韓国語らしいものも1局ある。ドイツ語もある。もちろん英語はいくつかある。が、日本語がない! ホテルのスタッフは誰もが必ず私に「ニーハオ」と声をかけてくる。

日本人観光客が多くないせいかもしれないが、日本の存在感の欠如をあちこちで感じる。少し前まで、日本の物価と東南アジアの物価の大きな開きを感じ、なんでもすごく安かったが、今は「日本と大差ない」と感じる。東南アジアを成長しているということでもあるだろうが、日本が特別の先進国でなくなったということだろう。日本人として意識を変える時に来ているのを強く感じる。

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