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大野+都響の第九 感動した!

20171226日、サントリーホールで大野和士指揮、東京都交響楽団によるベートーヴェンの交響曲第9番を聴いた。素晴らしかった。感動した。

まず、大野の指揮が圧倒的だった。音楽の構成を明確にしたうえで、自然に音楽を作っていく。音に勢いがあり、メリハリがあるが、それがまったく不自然ではない。大時代的な巨匠風演奏ではないのだが、十分にスケールが大きい。第1楽章から深みに沈潜し、しかも大きく盛り上がっていく。第2楽章の躍動も素晴らしい。そして、第3楽章。ゆったりと歌わせる。各パートが最高に美しくからみあって得も言われる世界を作り上げる。もしかしたら、この数年で最高の第3楽章ではないか。感動のあまり涙が出そうになった。

4楽章の合唱が始まる前の部分も一つの物語として成り立たせているかのよう。陰影があり、高揚に向かう前兆として説得力がある。そして、そのままバリトンの独唱に突入。

歌手陣も充実していた。バリトンの大沼徹は実に立派な声。テノールの西村悟もこの難しい歌を見事に歌いこなした。そして、ソプラノの林正子も圧倒的。もちろん、メゾ・ソプラノの脇園彩も素晴らしい。二期会合唱団も少人数でありながら、高揚した祝祭の世界を作りだしていた。フィナーレの部分のすごいことといったら! 感動に体が震えた。

今年3回目の第九。もちろん、今日がもっとも素晴らしかった。

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コメント

樋口先生、
オケ好きにとっては必然的に第九月間ですね。樋口先生は今年はどれに行ったかな?と毎年楽しみにこちらのブログを拝見しています。私も縁あって今年は都響+大野シェフの第九を聴きに25日本拠地上野に参りました。

実は月曜日で自分自身が少々疲れていたせいかオケは、都響うまいなー、大野さんすごいなー、と漠然とこれが第九のお手本なのだろうと感じていたのですが、私もソリストがとても印象に残りました。ミーハーで申し訳ないですが、見た目がまず美しく!二期会と藤原の美男美女揃い踏み、女性のドレスもとてもセンスが良いのです。それがステージの最前に配置されているのでそれはそれで素晴らしい配置だと思いました。おせち料理のようです。

バリトンの大沼さん、歪みがない堂々とした口上、スーパー巻き舌でびっくりしましたが、ドイツ語のディクションとしてあれは正しいのでしょうか。「フロロロロロ(巻き舌)オーーイデ!」と思っていたら4人ともベルカント風!(打ち合わせ済み?)でも美しい容貌と美しい堂々とした「喜び」に満ち溢れた声、お若い4人が大好きになりました。

大野シェフも弦が対向配置でしたね。読響はティンパニが右から来たので少々違和感があり、都響ではティンパニが後ろにいたのでこれはとても大きな違いでした。
それから、上野では第三楽章と第四楽章の間に普通の楽章間くらいの「間」がありまして驚きました。オーディエンスもここぞとばかり咳払いをしていました。これは大野さんにどうしてですか、と聞いてみたかったです。

投稿: Tamaki | 2017年12月29日 (金) 21時50分

Tamaki 様
そうでした。大沼さんは凄い巻き舌でした! ちょっとびっくりしました。実は楽章間の咳払いはあまり気にならないのですが(もちろん、しないでほしいのですが、演奏中の咳やのど飴のガサガサよりはずっとましです)、ソリストの登場時の拍手が、曲の流れをとぎらせてしまいますので、どうしても気になります。確か、この日、小さな拍手があったような気がするのですが、どうでしたでしょう。
それよりも、Tamakiさんに伺いたいのは、新日フィルがどうなってしまったのかということです。今回の第九は、注目度も低いようですし、演奏も個人的に気に入らなかっただけではなかったと思います。

投稿: 樋口裕一 | 2017年12月30日 (土) 00時41分

樋口先生、私の時もソリスト登場で拍手がありました。楽章間の拍手は指揮者や演奏者にとっては集中力途切れて気の毒だなと思います。今回は美形スター4名がステージ最前へニコニコ登場なので、それは第九初めての人はきっと拍手したくなりますね。そういう意味ではソリストは後方に配置、いつのまにか地味に登場した方がいいかもしれませんね!

楽章間のインターバルのことですが、第九の第三楽章と第四楽章って続いていますよね、スコアがそのようになっているはずです。そのためソリストは第三楽章の前に入ってきてじっと聴いていることが一般的ですしオーディエンスは咳払いもできないはずです!(笑)
でも大野さんは、楽章間でじっとうつむいて、かなり間を空けましたよね?私はそういう指揮が初めてなのです!もし次の都響定期で大野さんに会うことがあったら絶対にその理由を聞いて、樋口先生に報告します!

余談ですが、第九オンリーのコンサートでよく「本日の公演には休憩がありません」と書かれていて、そりゃそーだと独り言でつっこんでみたりするのですが、都響上野では場内アナウンスまでありましたよ。だったら、「本日の第九は第三楽章と第四楽章の間にインターバルがあります」とアナウンスしてもいいかも!(冗談です)

新日本フィルの件は、そちらのトピックへコメントを書かせていただきます。

投稿: Tamaki | 2017年12月31日 (日) 00時13分

Tamaki様
コメント、ありがとうございます。
ソリストは後方、あるいは今年の「ベートーヴェンは凄い」のように左側がよいのではないかと思いますが、実際には、いろいろと事情があるのだろうと思います。
第3楽章と第4楽章が続いているとは知りませんでした。手持ちのスコアには記載されていませんでした。以前、第3楽章が終わってから、合唱とソリストが入場することもしばしばありました。今は、合唱は初めから、ソリストは第2楽章が終わった後ということが多いようですね。

投稿: 樋口裕一 | 2018年1月 2日 (火) 21時48分

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