ジャッド+新日フィルのロッシーニ「スターバト・マーテル」は超名演だった!
2018年1月26日、新日本フィルハーモニー交響楽団のアフタヌーンコンサートを聴いた。曲目は、前半にハイドンの交響曲第100番「軍隊」、後半にロッシーニの「スターバト・マーテル」。素晴らしい演奏だった。とりわけ、「スターバト・マーテル」は超名演といってよいのではないか。
指揮はジェームズ・ジャッド。「軍隊」もよかった。きびきびしていてメリハリがあって、適度に古楽的。まったく退屈せず、ワクワクしながら最後まで聴いた。ハイドンのおもしろさを改めて知った。ただ、金曜日の昼間のコンサートとあって、客席が寂しい。高齢者がほとんどで、半分も埋まっていなかったのではないか。しかも、私の少し前のほうの席の人が、始終、ガサガサと音をたてていて、少々気になった。
が、後半になると、マナーの悪い人がいることなど、どうでもよくなった。ただただ感動して聴いた。実にドラマティック。激しく、デモーニッシュなところもある。しかもロッシーニらしいオペラ的なおもしろさもあり、宗教的なおごそかな雰囲気もある。ジャッドはそれを手際よく、しっかりと歌わせながら進めていく。ロッシーニの魅力がたっぷり。改めてロッシーニの曲の力にも納得する。
オーケストラも厚みのある、潤いのある音を出して見事。そして、歌手陣が圧倒的にすごい。世界の一流のロッシーニ歌いにまったく引けを取らない。ソプラノの髙橋絵理は美しくて勢いのある声。テクニックも素晴らしい。メゾソプラノの谷口睦美も声の力もさることながら、その迫力も満点。テノールの宮里直樹にも高音の声の張りに圧倒された。バスはジョン・ハオ。もちろん素晴らしい歌手だが、今日に限ってはほかの三人のほうがよかったといえるかもしれない。が、それにしても、歌手陣の充実には目を見張るものがあった。
合唱は栗山文昭合唱指揮による栗友会合唱団。見事な合唱。厚みがあり、勢いがあり、指揮に素早く対応。合唱にも圧倒された。
すべてにおいて、最高レベルの演奏。ここまで素晴らしい演奏をしてもらえるとは、正直、期待していなかった。満足!! これほどのロッシーニがこれからも聴けると、こんなうれしいことはない。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- ルイージ&メルニコフ&N響 良い演奏だが、私の好みではなかった(2022.05.21)
- METライブビューイング「ドン・カルロス」 フランス語版の凄味を感じた(2022.05.17)
- バーエワ&ヤノフスキ&N響 苦手な曲に感動!(2022.05.14)
- Youtube出演のこと、そしてオペラ映像「パルジファル」「シベリア」(2022.05.10)
- ヤノフスキ&N響 「運命」 感動で身体が震えた(2022.05.08)
コメント