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新国立劇場「こうもり」を楽しんだ

 2018121日、新国立劇場で「こうもり」をみた。とても楽しかった。

 全体的に高い水準の上演だと思う。歌手陣もいいし、オーケストラもいいし、演出もおもしろかった。

 歌手陣では、私はロザリンデを歌うエリーザベト・フレヒルに惹かれた。「チャルダッシュ」など劇的に歌ってとてもよかった。このように大袈裟な歌い方がよく似合う歌手だ。アイゼンシュタインを歌うアドリアン・エレートを芸達者で実にいい味を出している。声も美しい。

アデーレを歌うジェニファー・オローリンもとてもきれいな声で、演技も容姿も魅力的だった。ただ、あの有名な「侯爵様、あなたのような方は」で何度かオケと合わないところがあったのが残念。第三幕の歌は素晴らしかったが。フランクのハンス・ペーター・カンマーラーもしっかりした声で演技もいい。オルロフスキー公爵のステファニー・アタナソフはせっかくのきれいな声なのだが、やや声量がなく、しかも棒立ち。とてもいい歌手だと思うが、惜しい(名前に覚えがあると思って調べたら、新国立「ばらの騎士」でオクタヴィアンを歌った歌手だ。確かにあの時も同じような印象を抱いた!)。ファルケ博士のクレメンス・ザンダーはまだ若いのだと思う。ちょっと歌が堅かった。

 日本人の歌手陣では、アルフレードの村上公太が素晴らしいと思った。美声が伸びている。ブリントの大久保光哉もよかった。

 指揮はアルフレート・エシュヴェ。バランスのとれた演奏。ウィーン風といってよいのだろうか。かなり上品。しかし、そうでありながら、取り澄ました感じはならない。東京交響楽団もとてもきれいだった。少し間違うと取りすましてつまらなくなったり、逆に下品になってしまったりしがちなこの曲を、本当に美しく、楽しく演奏してくれた。三澤洋史の合唱指揮による新国立劇場合唱団も、演技も含めて見事。

 演出はハインツ・ツェドニク。かつて、私は何度かこの歌手の歌を実際に聴いた。映像でも何本も見ている。「こうもり」のツェドニク演出も二度目。だが、実に面白い。何度も声をたてて笑った。大人の娯楽を存分に楽しんだ。「こうもり」って名曲だよなあ・・・とつくづく思う。大人の楽しみの時間を味わえる。

 少し、「マナー」について触れる。

隣の席の男性がずっとガムを噛んでいた。かすかな音だが、ガムを噛む音が聞こえていた。視覚的にも、口をもぐもぐしているのが気になった。そもそも、クラシックを聴くときにガムをくちゃくちゃ噛むとは何事ぞ!と思わないでもない。とはいえ、本人はオペレッタを存分に楽しんでいるようだし、このくらいのことだったら、気にするほうが悪いのかもしれないと思って、特に注意はしなかった。しかし、ガムを噛んだり、大きく身動きしたり、帽子をかぶったり・・・といったことは、たとえ聴覚的に邪魔にならなくても、演奏中は遠慮してほしいと思う

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