こんにゃく座「天国と地獄」 歌以外は素晴らしかった
2018年2月13日、俳優座劇場でこんにゃく座公演「天国と地獄」を見た。昔々、林光のオペラを見て以来、二度目のこんにゃく座。オッフェンバックのオペレッタは何を隠そう、大好きだ。おそらく、DVDで入手できるものはすべて持っている。CDもかなり聴いてきた。「天国と地獄」(もちろん原題は「地獄のオルフェ」)も大好きで、これまで実演も映像も何度か見ている。
一言で言って、今回の上演(B組による上演)は歌以外はたいへん素晴らしかった。台詞・訳詩・演出を担当した加藤直のセンスと力量に感服。原作のセリフをそのまま上演しても、今の日本人にはあまり面白くない。変更してこそ、楽しむことができるし、そうしてこそオッフェンバックの精神を伝えることができる。それを加藤直は、現代の日本人が楽しめるように、しかもオッフェンバックの精神をしっかりと伝えられるように修正している。笑いのセンスも見事。
そして、演出の面白さも特筆するべきだろう。気が利いているし、動きがあってあきないし、一人一人の歌手の演技も素晴らしい。顔の表情、手の動きなども見事。すべての歌手たちが、歌手という以上に役者であって、どの人も素晴らしい。
オーケストラではなく、ほとんどの音楽をピアノとヴァイオリンとクラリネットとファゴットで演奏。か細い音になるが、経費節約を考えれば、これで十分にオッフェンバックは成り立つ。
ただ、歌手たちの歌については、私は聞くのがつらかった。ほとんどの歌手の音程がかなりよくない。完璧に音程のずれることもかなりあった。声も出ていない。重唱などではきれいにハモらない。これではオッフェンバックのオペラは成り立たない。いくら芝居として面白くても、やはり歌こそがオペレッタの命なのだから。こんにゃく座はオペラ団体なのだから、やはりもっと歌に力を入れてほしいものだ。
オッフェンバックのオペレッタをもっと上演してほしい。ただし、やはり音程だけはしっかりとした歌であってほしい。
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